複数のサービスを統合し、新しいサービスを生み出す“マッシュアップ”。最近話題のRimoやニコニコ動画も、YouTubeの新たな楽しみを提供するマッシュアップサービスの1つだ。両サービスの登場以降、続々と類似のサービスが発表されている。
ここで、国内で盛り上がりを見せているYouTubeマッシュアップサービスをまとめて紹介しよう。
ダラ見系
YouTubeマッシュアップサービスで最も多いのは、動画をテレビのように連続再生する“ダラ見系”のサービス。これらのサービスは、自分で動画を探し出す必要がなく、サービス側が用意する“人気順”や“ジャンルごと”のチャンネルをダラダラと見られるのが特徴だ。
Rimo(リモ)
URL:http://rimo.tv/
(株)はてなが運営する、元祖ダラ見系サービス。誰でも使いやすいように極力シンプルにしたインターフェースと、WiiやPS3にも最適化されているのが特徴だ。YouTubeから抽出された、“音楽”“お笑い”“アニメ”“動物”の4チャンネルが用意されている。
oreseg(オレセグ)
URL:http://oreseg.com/
(株)paperboy&co.代表取締役社長の家入一真(いえいりかずま)氏らによるユニット“MilkyWay”が運営。動画の抽出元はYouTubeで、“MUSIC”“NEWS”“HORROR”“PEOPLE”など14のチャンネルに細分化されているのが特徴。チャンネルごとにサムネイルが並ぶ、視認性の高いインターフェースを搭載し、Wiiにも対応している。
CGM TV! DOGGAWii~みんなのチャンネル~
URL:http://www.dogga.jp/wii/
ドラゴンフィールド(株)が運営。同社は、YouTubeなどのお気に入り動画をブックマークし、ユーザー同士で共有できるサイト“DOGGA”を運営している。CGM TV! DOGGAWii~みんなのチャンネル~は、DOGGAで人気の動画をWiiで連続再生するサービスだ。現在用意されているチャンネルは“週間動画ランキング”、“月間動画ランキング”、セカンドライフの面白い動画を集めた“セカンドライフチャンネル”の3つ。セカンドライフ内での企業マーケティングの事例や、セカンドライフ内の動画をつなぎ合わせストーリー化した“マシネマ”と呼ばれる動画を見ることができる。動画はYouTube、Askビデオ、Metacafeなど6種の動画投稿サービスから抽出されている。
gdgd.tv
URL:http://gdgd.tv/
個人の“synk”氏が運営。ほかのサービスのようにあらかじめチャンネルは用意されておらず、自分でキーワードを設定し、オリジナルのチャンネルを作れるのが特徴。1つのチャンネルには50個までのキーワードを設定可能で、動画はYouTubeから抽出される。Wiiにも対応している。
DARAO(ダラオ)
URL:http://darao.tv/
個人の“さくーしゃ”氏が運営。YouTubeなどの動画投稿サービスだけでなく、Rimoなどのほかのマッシュアップサービスのチャンネルも見れるのが特徴。対応する動画投稿サービスは、YouTubeのほか、Google Video、MetaCafe、iFilm、Dailymotion、Ameba Visionなど。マッシュアップサービスはRimoのほか、CGM TV! DOGGAWii~みんなのチャンネル~、字幕in、CDTubeβなどに対応する。キーワード検索機能も用意されている。
字幕系
ニコニコ動画でお馴染みの動画に字幕コメントをつけて楽しむサービス。ダラ身系のように受身でなく、積極的に参加して楽しめるサービスだ。
ニコニコ動画
URL:http://www.nicovideo.jp/
(株)ニワンゴが運営。SMILEVIDEO、Ameba Vision、フォト蔵の動画にコメントを付けて共有できる。1つの動画に複数のユーザーがワイワイと“つっこみ”を入れ、一体感を楽しめるのが特徴で、2ちゃんねる風の独特の“ノリ”や“熱気”がある。現在は利用者を限定したクローズドサービスとして運営中。
字幕in
URL:http://jimaku.in/
個人サイトのsatoru.netが運営。YouTubeや字幕inの投稿動画に、映画風の字幕を付けられるサービス。基本的に、1人のユーザーが映画などにオリジナルの字幕をつけた、ある種の“パロディ作品”が投稿されている。ニコニコ動画が、動画に皆でつっこみを入れて楽しむのに対し、字幕inはほかのユーザーが作った作品を鑑賞するのが主な目的だ。ニコニコ動画のように皆でつっこみをいれる機能もあるが、つっこみの表示・非表示の切り替えや、つっこみ自体を禁止する設定も可能だ。
個人の開発が面白い
Rimoやニコニコ動画など、企業によるサイトだけでなく、個人が運営するマッシュアップサービスも活発的になっている。個人ゆえのフットワークの軽さと、ある種の割り切りの良さが魅力あるサービスにつながっているようだ。DARAOの“ほかのマッシュアップサービスをさらにマッシュアップする”という発想は、まさに個人運営だからこそ生まれたものだろう。次はどんなマッシュアップが生まれるのか? 今後の展開が楽しみだ。
