バーチャルでリアルのマネーが動く“SecondLife”
このCG仮想空間が新しい形のSNSとして、米国メディアで注目されてきたのは昨年の後半あたりのことだろうか。
登録者数は、昨年10月時点で100万人だったが、12月にはいきなり200万人に達した。原稿執筆時(2月14日)に、SecondLifeにアクセスをしてみたところ、その数字はさらに増えて、なんと359万人以上だった!
この仮想空間が話題を呼んでいるのは、バーチャル“ゲーム”ではなくバーチャル“社会”として、全世界で認知されつつあるからだ。SecondLife内にはバーチャルな貨幣(Linden Dollar)が存在しており、これはリアルな貨幣(米ドル)に換金することが可能だ。SecondLife上で活動するアバターのひとりであるAnshe Chung氏は、同サイト内で投資した9.95ドル(約1200円)が2年半の間に、リアルでの紙幣価値に換算して100万ドル(約1億2100万円)相当にまでなったとして、現実の社会でも有名になった。バーチャル不動産王として『BusinessWeek』誌の表紙を飾ったほどだ。
また、サン・マイクロシステムズは、SecondLife内に“Sun Pavillion”を設置し、Fourtune 500企業として、始めてバーチャルワールド内で記者会見を行なった(プレスリリース)。ほかにもトヨタ、日産、インテル、さらにはIBMやコカコーラまでもが、広告媒体として同サービスを利用し始めている。大学の講義がこの世界の中で行なわれているといった事例もある。
このように注目を集めるSecondLife。セッションの冒頭で紹介されたのは、そのCEOを務めるフィリップ・ローズデイル氏と、オライリーメディアの創立者で“Web 2.0”という言葉を広めたティム・オライリー氏のインタビューコメントだ。
「テクノロジーが人と人との繋がりを強化することになる。(Web 2.0といった現象により)透明性や開放性が増してくることになるだろう。」(ローズデイル氏)
「共通のテーマは、コネクションを持つということ。さらにいろいろな形でのコネクションを持つことになり、クリエイティブな方法でそのコネクションを利用していく企業が存続していくことになる。」(オライリー氏)
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