Vista対応オンラインサービスが45も登場――マイクロソフト、Windows VistaおよびOffice 2007発売開始の発表会を開催

2007年01月30日 21時00分更新

文● 編集部　小西利明

マイクロソフト(株)は30日、新Windows『Microsoft Windows Vista』と、Officeスイート製品『2007 Microsoft Office System』を発売した。同日、東京都内のホテルにて開かれた記者発表会では、同社とパートナー企業によって、Vistaに対応したコンテンツサービスやオンラインサービスなど多数が披露された。同社によれば、現時点で41社の45サービスが、Vistaに対応するサービスを提供するとしている。

“祝発売”と書かれた酒樽で、鏡開きを披露するマイクロソフト代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏(中央)ら

講演を行なった同社代表執行役社長のダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏は、秋葉原や有楽町などで行なわれた深夜販売について触れ、大勢の熱心なファンが集まったことに喜びを示すと同時に、海外では見られない日本のユニークな状況を見られたと語った。

Vista対応リモコンでMedia Centerのデモを披露するヒューストン氏

ヒューストン氏は2006年11月30日に開かれた、VistaおよびOffice 2007ボリュームライセンス開始の発表会で、ビジネスユーザーを想定したVistaとOffice 2007の新機能を自らデモして見せた。そして今回は一般販売の開始ということで、日本のホームユーザーを想定したデモを披露した。まずは自宅で、Exchange Serverが提供するブラウザーベースのメールクライアントサービス“Outlook Web Access”を使って業務のメールを受信。『PowerPoint 2007』を使って送られてきたスライドに写真を付け加える編集を行ない、部下に送信する。続いてメディアセンター対応のリモコンを使って、Vistaの“Windows Media Center”機能を操作し、BGM付きの写真スライドショーを簡単に実演してみせた。

Vistaに搭載されたグラフィックスサブシステム“Windows Presentation Foundation”(WPF)に対応した、コンテンツサービスも披露した。WPFのデモとしてよく披露されている、オープンインターフェース(株)の映像配信サービス“DOING.TV”のWPF版を使い、マルチアングルでのビデオストリーミング再生や、3つのビデオ再生画面が滑らかに移動して表示位置を入れ替える様が実演された。

イーブック・システムズの電子書籍へリンクするサイドバーガジェット

紙の雰囲気と動画や音声を使ったリッチな表現が可能な電子書籍“FlipBook”

また、サイドバーに登録されたイーブック・システムズ(株)のガジェット“eBook World”を使い、イーブック・システムズが提供する電子書籍“FlipBook”の電子雑誌を表示。紙のようにめくれるページ表示、動画や音声を組み合わせたリッチな広告表現などを披露して、今までのウェブサービスより優れた表現が、Vista上では可能になるという実例を示した。

Media CenterやWPF対応サービスが多数出展

続いて登壇したマイクロソフト Windows本部本部長のジェイ・ジェイミソン(Jay Jamison)氏は、Vistaのコンセプトのひとつである“プレミアムデジタルライフ”について語った。ジェイミソン氏はVistaによって、「日本のコンシューマーはメールとインターネットだけでなく、より多くのものを楽しむことができる」と述べ、それを実現するパートナー企業のサービスを紹介していった。

“第2日本テレビ”の説明を行なう、日本テレビ放送網の馬場典子アナウンサー(左)と、第2日本テレビ事業本部次長の田村和人氏

Media Center向けのオンラインコンテンツ“メディアオンライン”を提供する企業の代表としては、日本テレビ放送網(株)が展中の“第2日本テレビ”が披露された。同社第2日本テレビ事業本部次長の田村和人氏と、同社の馬場典子アナウンサーによるプレゼンテーションでは、地上波や衛星放送で放送済みのニュースやTV番組の配信のほかに、TV中継されない番組、例えば高校サッカーの地方予選決勝のハイライトなどの放送が人気を呼んでいると説明された。現在はウェブブラウザー向けのサービスとして展開されているが、3月にはメディアオンライン対応のサービスを無償で提供するとしている。

Media Centerからアクセスした“第2日本テレビ”のメニュー画面

第2日本テレビで配信されているニュース番組。視聴は無料である

第2日本テレビのほかにも、Vistaの特徴を生かしたアプリケーションやサービスの数々が披露された。Vistaのプレミアムエディション(※1)が標準で備える“タブレットPC”機能に対応した“Windowsタッチテクノロジ”対応製品としては、(株)セガの化石掘り出しゲーム『化石プレイ』が、WPFを駆使したウェブサービスとしては、(株)ワーナー・マイカルの映画プロモーションサイト“WARNER MYCAL Preview”の実演と、担当者による説明が行なわれた。ワーナー・マイカル常務取締役営業企画本部長の橋本滋之氏は、劇場に足を運ぶ前に同社ウェブサイトで上映スケジュールを確認したり、オンラインでのチケット購入を行なう利用者が増えているとの現状を報告。WPFを使ったグラフィカルなサービスを提供することで、「座席検索そのものがエンターテイメントになる」と述べた。

※1　Windows Vistaのうち、Vista Home Premium、Business、Enterprise、Ultimateの4製品を示す

セガの化石掘りゲーム『化石プレイ』。ペンタブレットを使って、土に埋まった化石を掘り出す。2007年春発売予定

発表会場脇の展示コーナーでは、ノートパソコンとペンタブレットを組み合わせて、“Windowsタッチテクノロジ”対応ソフトのデモを披露。多くの来場者が集まり人気があった

展示コーナーで披露されていた“WARNER MYCAL Preview”のデモ。円状に並んだ映画の画像が、マウス操作に応じてくるくる回る。画像をクリックすると予告編のムービーが流れる

購入者特典第2弾は音楽無料ダウンロード！

マイクロソフトは15日に、Vistaの早期購入者特典として映画の無料ダウンロードキャンペーンを行なうことを発表している。これに加えて30日には、購入者特典の第2弾として、HMVジャパン(株)と共同で有料音楽配信サイト“HMV Digital”から、好きな曲をどれでも1曲、無料でダウンロードできる“Windows Vista Song de Premiumキャンペーン”を行なうことが発表された。対象となるのは、Vista Home PremiumかVista Ultimateのパッケージ版か搭載パソコン購入者で、実施期間は30日から2月28日まで。またキャンペーンサイトでは期間中“Windows Vista 'JUKE BOX'企画”として、毎週著名人が選んだ音楽のプレイリストやコメントを公開する。