圧倒的な強さを見せた現チャンプ
Zalman「CNPS9700-LED」
ラストを飾るのは昨年のチャンプ、Zalman「CNPS9700-LED」だ。扇状に広がる銅製フィンと8の字を描くヒートパイプを組み合わせ、さらにファンを埋没させるという奇抜なデザインが印象的な製品だが、実力は超一級品だ。この製品はSocket 775/AM2の両方に対応したもので、「CNPS9700 NT」にファンコンを同梱したものだ。
組み立てに必要なパーツは10点。マザー裏にプレートを仕込み、ソケットを包囲するようなベースと合体。ヒートシンク部はバネ状の板をネジ留めするという結構シンプルな構造だ。組み立てもそれほど難しくなく、ネジ留めの手間さえ厭わなければ取り外しはかなり簡単だ。 テストはファンコネクタをマザーに直結して行なったが、ファン騒音はかなり騒々しい。これは付属のファンコンを使って絞れということだろう。
さて結果だが、定格・オーバークロックのいずれにおいても素晴らしい結果を残した。定格時のテストでは「NINJA COPPER」から辛くも逃げ切った感があるが、オーバークロック時42度というのは正に圧倒的。ただ、前述した通りファンノイズが大きいため、これを常用できるかと言われるとやや厳しいものがある。
果たして王座は誰の手に?
2007年下半期の最強王座決定戦もまたしても「CNPS9700-LED」の2回目の防衛戦勝利で幕を閉じた。動作中のファンノイズという欠点はあるものの、組み込みのしやすさ、冷却性能、そしてビジュアル的なインパクトの3つのバランスの良さは、2006年産製品といえども今だ色あせない。
また、冷えは今一歩及ばなかったが、静音性とのバランスが最も優れた「NINJA COPPER」が2位、さらにその後に「NH-U12P」「HR-01 Plus」が3位タイとなる。
1位と2位の差はほんのわずかで、静音PC全盛の今となっては「CNPS9700-LED」はややそぐわない結果のような気もする。それでも「NINJA COPPER」が2位に甘んじているのは、装着時の苦労とパーツ点数の多さのためだ。今年こそは高性能で装着しやすく、かつ快適で高性能(自分で書いてて何だが、凄いワガママだと思う)、という画期的な製品が表れ、2年連続チャンプをKOするシーンが見られることを期待したい。