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2013年CPUクーラー最強王座決定戦 ― 第2回

大御所ガチンコ対決 2013年CPUクーラー王座決定戦【第2回】

2014年02月05日 12時00分更新

文● 加藤 勝明

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 今年で8年目を迎えた毎年恒例の企画「CPUクーラー最強王座決定戦」。2013年に発売された空冷CPUクーラーの中から合計13製品(+リテールクーラー1種)を取りあげて性能を比較する。

テスト環境
CPU AMD「FX-8350」(4GHz)
マザーボード ASUS「Crosshair V Formula」(AMD 990FX/SB950)
メモリー Patriot「Patriot PSD38G1600KH」(DDR3-1600 4GB×2)
ビデオカード ELSA「GeForce GTX 650TI Boost S.A.C」(GeForce GTX 650Ti Boost)
SSD Intel「SSDSC2CT240A4K5」(SATA3 240GB)
電源ユニット Seasonic SS-760KM(80PLUS GOLD)
OS Windows 8.1 Professional 64bit版

 テスト方法は第1回と同じなので、まだ見てない人は第1回を参照してほしい。

格安空冷クーラーはどこまで耐えるか?
サイズ「虎徹」

 「グランド鎌クロス」や「忍者」など、個性的なネーミングとコストパフォーマンスの高いCPUクーラーを数多く開発しているサイズの製品の2013年モデルを3製品連続で紹介しよう。まずは実売価格3000円前後と非常に安い「虎徹」だ。

●対応ソケット:775/1150/1155/1156/1366/2011、AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2
●寸法/重量:130(W)×83(D)×160(H)/約480g
●ファン回転数:400~1400±10%(PWM制御)
●風量:20.7~79.0CFM
●ノイズ:5.3~28dBA
●実売価格:3000円前後
●製品情報URL:http://www.scythe.co.jp/cooler/kotetsu.html

 この虎徹は4本の銅製ヒートパイプにアルミ製フィンといったごくスタンダードなスタイルを採用しているが、ヒートシンク部の幅は130mmとやや短くすることで、ビデオカードや電源ケーブルなどと干渉しにくいよう設計されている。2種類のフィンを組み合せる「M.A.P.S(Multiple Airflow Pass-through Strcture)」を採用することで、ヒートシンク内の空気の通りを向上させている。

 ファンの固定方式はおなじみのワイヤークリップを溝にはめ込む方式だが、ヒートシンク中央部にドライバーが通るだけの切り欠きがあり、ファンを固定した状態でもヒートシンク部をベースから切り離せるようになった。この切り欠きはエアフロー改善にも役立っているという。

 さて、サイズ製クーラーといえばヒートシンクの構造や着想はよい反面、固定方法の洗練度がいまひとつ、という評価の製品が多かった。裏側からドライバーを回す必要のあるバックプレートや指を入れて開閉するAMD製CPU用クリップはお世辞にもメンテナンス性が高いとは言いがたい物だ。

 しかし虎徹など2013年発売の製品で採用された“ブリッジリテンション”は、他メーカーと同様のマザー上にベースを構築し、そこに改めてヒートシンクを固定するタイプ。バックプレートも上からネジ留めするだけという手軽な設計は、他社製品に比べても遜色のないクオリティーに達している。

 全体の設計はシンプルかつコスト優先になっているせいか、4.6GHzでは冷却性能が不足し強制シャットダウンしてしまった。そのためテストは4.4GHzでの検証となる。

 ファン回転数の最高値が約1300rpmと遅いせいも手伝って、高負荷時のファンノイズは4.1.4dBAと4.4GHz組としては静音に仕上がっている。アイドル時のファンノイズはまったく聞こえないといっていい。

 またCPU温度は71度と、1回目で紹介したHyper 103より静かで冷える印象があるが、下のOCCTの温度推移グラフを見ると判る通り、中盤でCPU負荷が落ちていたせいで温度が上がりきらなかった、と判断できる。

 TDP 125W級CPUのオーバークロックには適さないが、定番のCore i5/i7の定格使用には問題ないどころか、安くて静かなCPUクーラーである、と評価できるだろ。

アイドル時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  39.0 ℃ 33.7 ℃ 31.4 ℃ 44.2 ℃ 33.8 dBA 691 rpm
純正より -3.0 ℃ -6.7 ℃ -8.3 ℃ -2.5 ℃ -0.2 dBA -1317 rpm
高負荷時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  71.0 ℃ 33.4 ℃ 37.4 ℃ 44.6 ℃ 41.4 dBA 1331 rpm
純正より -8.0 ℃ -10.0 ℃ -13.3 ℃ -8.1 ℃ -1.1 dBA -2336 rpm
10分間の温度推移

140mmファンを採用
サイズ「ASHURA SHADOW EDITON」

 続いては同社製の140mmファン「隼140」を搭載したやや大型のサイドフロー式クーラー「ASHURA SHADOW EDITON」だ。価格は虎徹のほぼ2倍だが、わりと手にしやすい5800円前後で流通している。

●対応ソケット:775/1150/1155/1156/1366/2011、AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2
●寸法/重量:145(W)×65(D)×161(H)/約750g
●ファン回転数:500~1300rpm±10%(PWM制御)
●風量:37.37~97.18CFM
●ノイズ:13~30.7dBA
●実売価格:5800円前後
●製品情報URL:http://www.scythe.co.jp/cooler/ashura-shadow.html

 搭載しているヒートパイプは虎徹が4本に対しASHURA SHADOW EDITONは6本。ヒートパイプはCPUに直接接触しないタイプだが、ベース部の表面処理やパイプとベースの隙間の処理も良好。特に後者は従来のサイズ製クーラーの欠点を見事克服したといってよいだろう。

 ヒートシンクをベースに対しわずかにオフセットすることで、メモリーへの干渉を減らしているものの、ヒートシンクが幅広なため一番CPUに近い拡張スロットとのクリアランスは小さい。Micro ATXや一部ハイエンドマザーのように1本目のx16スロットとCPUソケットの間が短いマザーでは、裏面にパーツやヒートシンクのあるビデオカードと干渉する可能性が大だ。

 また、虎徹と同じメンテナンスしやすい“ブリッジリテンション”を採用しており、大型クーラーにしては取り付けも楽。個人的にはヒートシンク最上部の化粧板の存在が気に入った。

 虎徹に比べコストのかかった設計をしているだけに、4.6GHzのテストを見事にパス。高負荷時は少々ファンノイズが聞こえてくるものの、アイドル時はほとんどノイズらしいノイズが聞こえてこないのはグッドだ。CPUの最高温度は68度にとどまるなど、4.6GHz通過組の中でも冷却性能も高めになっている。

 しかしその一方で、アイドル時の温度はこれまで紹介したどの製品よりも高い。その理由は今回エントリーした製品の中で、サイズ製品はアイドル時に最もファン回転数が低くなる(最低値は次に紹介するMUGEN4だが)。一度熱くなったヒートシンクが冷えるまでの時間は、他の製品より長い時間を必要とする、というわけだ。

アイドル時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  47.0 ℃ 36.6 ℃ 35.1 ℃ 53.6 ℃ 33.3 dBA 669 rpm
純正より +5.0 ℃ -3.8 ℃ -4.6 ℃ +6.9 ℃ -0.7 dBA -1339 rpm
高負荷時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  68.0 ℃ 35.0 ℃ 39.0 ℃ 56.1 ℃ 43.5 dBA 1318 rpm
純正より -11.0 ℃ -8.4 ℃ -11.7 ℃ +3.4 ℃ +1.0 dBA -2349 rpm
10分間の温度推移

※お詫びと訂正:製品名に誤りがありましたので、記事を訂正しお詫びいたします。

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