また、AIを活用して曲を作った。
その過程を記していく。
▲今回制作した楽曲のラフマスタリング
DTM勢、ふたたびAIを使って曲を作る
筆者は、もともとオリジナルで楽曲をパソコンで使って発表している。DTM(デスクトップミュージック)というやつだ。
▲筆者が制作した楽曲
アスキー倶楽部の以前の記事で、フルフルでAI作曲を活用して曲を作った。
ChatGPTに書いてもらった歌詞を改変し、フルパートAIに作曲してもらったものをアレンジしていって自分の楽曲にしていった。
もともと筆者は曲だけを作って、歌詞は他の人に頼むことが多かった。その所為か自分で歌詞を書こうと思ったら、なかなか歌いたいこと、言葉にしたいことが身体から出てこなかった。
あの記事の時は、歌詞を書くのにだいぶ悩んでおり、ゼロからChatGPTの力を借りて歌詞を書いた。
しかしあの記事を書いた後、AIの力を借りて歌詞を書いた経験のおかげで歌詞を書くコツのようなものがわかり、すんなり歌詞を書けるようになった。
何事も手をつけてみるのが大事なのである。
ゼロから新しいことを始めるのはハードルが高くても、一回人でもAIでもいい、とにかく誰かの力を借りてやってみたら、その後は1人でできるようになることがあるのだ。
AIの使い方として、最初の走り出しの補助をやってもらうというのはいい使い方なのかもしれない。
歌詞を書けるようになった今回は、サビのメロディ部分だけAI作曲を使用し、他全般は自分の力で楽曲制作をしてみた。
前回の記事からのステップアップとして、読んでいただけたら幸いである。
苦手だった「歌詞」に慣れることができた
制作フローは前回とは異なってくる。
1. 歌詞を書く
2. 作曲AIに歌詞を流し込み作曲をしてもらう
3. 使用したいサビのメロディをAIが作曲した中から決める
4. A, B, Cメロのトラックを作る
5. A, B, Cメロのメロディを決め、必要に応じて歌詞をメロに合うように変える
6. レコーディングをする
7. ミックスをする
8. マスタリングをする
現在は仮マスタリングまで進むことができた。
今回は先にドドンと「歌詞」が強くあることが大きな違いだ。
言いたいことがあって、それを元に曲を作っていくというフローだ。
前回のAIとの協作の経験を通して、自分の中に歌にしたいテーマがあることに気付き、それを言葉にするのに慣れることができた。
歌詞は一気に書き切ることができた。
今回使用したのも前回と同じSUNO AIだ。
SUNO AIは歌詞と曲調を入力すると楽曲を生成してくれる。課金をすれば商用利用が可能だ。
今回、曲調は単調で硬派なテクノな感じにしたかったので、「Drone, Techno」と入れてみた。
たくさん生成した中で、サビのメロが素敵だなと思うものがあったのでそのメロディを採用することにした。
▲採用した生成楽曲
SUNOは、この動画のようなUIで、まるでサブスク配信している曲のように歌詞が見やすいのが助かる。
しかし、聞いていると行き当たりばったりなメロディのようにも聞こえる。そこで、いいところだけ拝借して自分で作り変えていく。
キャッチーなメロディだけAIで作る
ここからは、「Cubase」というDAWソフトを使って楽曲を制作する。打ち込みで曲を作っていく。
サビのキャッチーなメロディだけAIで制作して、それ以外は自分で作ることによって、自分らしいメロディとトラックにするというのが今回の意図だ。
自分1人で作るよりも、AIという他者が介在することでキャッチーさが増すのではないかと考えた。
サビのメロディだけAIを作るので、AI生成の楽曲はサビ以外完全に無視して制作を進めていった。
▲最初の楽曲デモ
全然違う雰囲気の曲になっていることがわかる。
硬派な感じの曲にしたかったが、サビはキャッチーにしたかったのでAIを使ったことが良い方向に傾いたと思う。
そして、AメロとサビのつなぎのBメロも自然につながるメロディを作ることができた。
さらに、作りたいメロディに合うように、歌詞を元のものから少し改造していった。
このデモの状態から、宇宙っぽい機械音などを足していったり、シンセサイザーを工夫したり、後半の展開を作っていったりする。
▲レコーディング前の最後のデモ
レコーディング、そしてミックスへ

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