ASCII Power Review 第206回
画面もキーボードも速度もコスパもOKだ
CHUWIの14型ノートPC「GemiBook XPro」実機レビュー = 新型CPU「インテル N100」の実力はいかに!?
2023年04月24日 10時00分更新
最近のパソコンはホントーに高い。円安、半導体不足が原因なのでメーカーさんを責めるわけにはいかないが、ない袖は振れないというのも正直なところ。
そこで今回レビューするのが、低価格を追求したCHUWIの14.1型ノートPC「GemiBook XPro」だ。希望小売価格が3万9900円。しかも記事執筆時点でAmazon.co.jpにおいて6000円オフのキャンペーンが実施されている。
インテルの新型CPU「インテルプロセッサー N100」が搭載されているので、そのパフォーマンスも気になるところだ。
というわけでおサイフに優しい本製品が、操作性や処理性能においてどのくらいの使い勝手を実現しているのか見ていこう。
インテルの最新CPU「インテルプロセッサー N100」搭載
GemiBook XProは、OSは「Windows 11 Home」、CPUは開発コード名「Alder Lake-N」の「インテルプロセッサー N100」(4コア、4スレッド、最大3.40GHz、6W)を採用。メモリーは8GB(LPDDR5-4800)、ストレージは256GB(Serial ATA接続SSD)を搭載している。
ディスプレーは14.1型フルHD IPS液晶(1920×1080ドット、16:9、輝度280cd/m²、60Hz、ノングレア)を搭載。ディスプレー上部にはプライバシーシャッター付きの2MPウェブカメラを内蔵している。なおスピーカーは底面に設置されているが、デュアルマイクはキーボード奥に配置されている。キーボードは84キーの英語配列だ。
インターフェースは、USB 3.0 Type-C(USB Power Delivery非対応)×1、USB 3.0 Type-A×1、HDMI端子×1、オーディオ端子×1を装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 6(11ax)とBluetooth 5.2をサポートしている。
本体サイズは323.4×219.9×19.9mm、重量は約1460g。38Wh(5000mAh)のバッテリーを内蔵しており、充電時間は3時間とのこと。バッテリー駆動時間は公表されていないので、ベンチマーク時に確認しよう。
スペックを総括すると、メモリー、ストレージが少なめなのが気になるところ。しかし、ポリカーボネート製ボディーの質感は悪くない。低価格を実現するために、絶妙なシステム構成で組み上げられているというのが現時点での感想だ。
キーボードとマウスのフィーリングは◎
ウェブカメラは割り切りが必要
筆者にとって、ノートパソコンで一定の基準をクリアーしてほしいと思う、ある意味で最重要なパーツがキーボードとタッチパッドだ。タッチパッドの感触がどうしても気に入らず、購入して半年ほどで売却してしまったマシンもあるほどである。
というわけでGemiBook XProでもキーボード&マウスのフィーリングに注目していたのだが、これがなかなかいい感触なのだ。
キーピッチは実測19mm、キーストロークは実測1.6mmが確保されており、キーボード面の剛性は高く、打鍵感も良好だ。
打鍵音はちょっと大きめだが、底打ちを避ければ迷惑になるほどではない。タッチパッドも浅く、適度なクリック感で筆者好みであった。
Enterキーの右に、電源、Home、End、PgUp、PgDn、右矢印キーが配列されている点だけは正直ご勘弁いただきたいのだが、それを除けば価格以上によくできたキーボードだと思う。
ディスプレーは14.1型フルHD IPS液晶(1920×1080ドット、16:9、輝度280cd/m²、60Hz、ノングレア)で、色域、コントラスト比などの細かなスペックは公表されていない。
そこで色域を実測したところ、sRGBカバー率は65.2%、AdobeRGBカバー率は49.1%、DCI-P3カバー率は48.8%とかなり狭かった。しかし実際に画像などを表示するとそれなりに綺麗に感じられるし、発色にも癖はない。色調整などの仕事に使わないのであれば、十分実用的な画質である。
一方かなり厳しく感じられたのが2MPのウェブカメラだ。プライバシーシャッターが付いている美点がある一方、かなり暗く、そしてノイズも多かった。
とは言え価格をできるだけ下げるためのメーカーの努力と考えると、納得感はある。本機では非常用のウェブカメラなのだと割り切るべきだ。
使い勝手においてもうひとつ指摘しておきたいのが、USB 3.0 Type-C端子がUSB Power Deliveryに対応していないこと。そのためサードパーティー製のコンパクトなUSB Power Delivery対応充電器を利用できない。同梱のACアダプターが実測118.6gと軽いのでつねに携帯できるが、なんとか対応してほしかったところだ。
「インテルプロセッサー N100」の実力を測定
一般アプリであれば実用的な動作速度を実現
さて「インテルプロセッサー N100」はどのぐらいのパフォーマンスを発揮するのだろうか?
今回は「インテルCeleron N5100プロセッサー」(4コア、4スレッド、最大2.80GHz、6W)を搭載する10.8型2 in 1 PC「MiniBook X」と比較してみた。
この連載の記事
- 第269回 14万円で買えるニコンの最新ミラーレスカメラ「Z50Ⅱ」実写レビュー
- 第268回 インテル最新AI CPU「CoreUltra2」搭載で超軽量なのにバッテリーは15時間持ち=「MousePro G4」実機レビュー
- 第267回 18インチになる世界初の2階建て2画面ノートPC「GPD DUO」実機レビュー
- 第266回 ついに発売!! キヤノンの最上位ミラーレスカメラ「EOS R1」徹底実写レビュー
- 第265回 未来デザインのPCが「CoreUltra2」で「Copilot+PC」になった!! 新「XPS13」実機レビュー
- 第264回 Copilot+PCはペンで使いたい=14型2in1ノート「HP OmniBook Ultra Flip14 AI PC」実機レビュー
- 第263回 「アポ・ズミクロン」の描写力に圧倒された!!フルサイズコンパクトカメラ「ライカQ3 43」実機レビュー
- 第262回 最先端AIで被写体トラッキング飛行してくれる超小型ドローン「DJI Neo」実機レビュー
- 第261回 最強AF撮影も1億7900万画素もやってみた=「EOS R5 MarkⅡ」実写レビュー
- 第260回 デルのフラッグシップも「スナドラX」搭載で「Copilot+PC」に=「New XPS 13」実機レビュー
- この連載の一覧へ