Officeやブラウザーなど、PCで一般的なソフトを使うだけならCPU内蔵のグラフィックス機能があれば問題ない。ただしPCゲーム、とくに3Dタイトルを高画質で快適にプレイしたい場合には、高速なGPUが必要となる。GPUを搭載するのはゲーミングPCのため、という認識が一般的だろう。PC向けのGPUといえば、NVIDIAの「GeForce」シリーズ、AMDの「Radeon」シリーズが有名だが、ハイエンドからローエンドまで幅広いラインアップを誇り、世界でもっとも高いシェアを獲得しているのがGeForceだ。
前述の通りGPUはゲーミングPCで使う、という認識の人は多いかもしれないが、3Dゲームで遊ばなければ意味がないかといえばそんなことはない。画像編集・動画編集といったクリエイティブ用途でCPUの計算を補助したり、話題の仮想通貨マイニングで大活躍したりと、実は豊富な使い道がある。また多機能なユーティリティが使えたり、ドライバーの設定が豊富だったりと、知らないともったいない機能や設定も多い。この特集では、GeForceシリーズをフル活用する方法を紹介しよう。
動画再生・変換で活躍できるのがGPUの強み
高性能GPUを3Dグラフィックス描画以外で活用することの代表ともいえる用途が、動画再生支援。とくにCPUへの負荷が高いH.265/HEVCではその効果が高く、4K画質の動画を再生したければ必須といってもいいくらいだ。ただし、この再生支援はCPU内蔵のGPUにも搭載されているものなので、あまり意識されることはない。
もうひとつ動画関係でGPUの機能としてあるのが、ハードウェアエンコーダー。Intelの内蔵GPUなら「QSV」(Quick Sync Video)、NVIDIAのGeForceシリーズなら「NVEnc」などがその例だ。CPU負荷が低く、しかも高速に変換できるというメリットがある。ただし、画質面では細かくこだわれるソフトウェアエンコーダーと比べて見劣りしてしまうため、動画のマスター編集用に使うには向いていない。スマホやプレーヤー用にリサイズするといった用途で活用するのがいいだろう。
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