PCに搭載されるCPUの性能を大きく左右する要素は、コアの動作クロック、コアそのものの数の大きく2つ。このうち動作クロックはどんなソフトでも高速化するが、コア数の方は使用するソフトウェア側がマルチスレッドに最適化されているかどうかで性能の上昇率が大きく変わる要素だ。
実際にマルチスレッド化が意識されるようになってきたのは、4コアCPUが登場したCore 2あたりから。すでに10年ほど前になるが、実際のところ膨大な処理が必要となるエンコードなど特定の分野を除き、ソフト側のマルチスレッド対応はあまり進んでこなかったと言われている。しかし、今年はインテルの第8世代Coreプロセッサー、AMDのRyzenシリーズなど、物理4コアを超えるCPUが次々に登場し、CPUのトレンドが大きく変化した年だ。高クロック化よりも多コア化へと大きく舵が切られたことから、様々なソフトのマルチスレッド対応が気にかかっている人は多いだろう。こういった純粋な疑問から、各ジャンルから有名どころのソフトを集め、対応状況を調べてみた。
6コア12スレッドの「Core i7-8700K」搭載機で、実ソフトを使ってひとつずつ検証
検証したジャンルは、動画エンコード(編集)、PCゲーム、リアルタイム配信、ZIP解凍/圧縮、ブラウザーの5つ。各ジャンルの代表的なソフトを使って検証した。検証方法は単純で、各ソフトを使用したときのCPU負荷をタスクマネージャーで確認。論理プロセッサ別の負荷表示にして、複数のコアが使われているのかをチェックするといったものだ。シングルスレッドでしか動かないソフトであれば1つのグラフだけが100%になり、残りは負荷が低い状況になるので、マルチスレッド対応かどうかが判断できる。
使用したPCはCPUにCore i7-8700K、メモリー16GB、ストレージにSSDを搭載したもの。6コア12スレッドのCPUなので、論理プロセッサ数は12となる。このCPU1つで、1~12のスレッド処理がどう行われているのかがチェックできるはずだ。
ざっくりとした検証だが、マルチスレッドで動作するのかを判断するには十分な方法となるため、今回はこの方法で検証した。
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