「これ、AIに聞くほどかな?」6割超
「これ、わざわざAIに聞くことでもないんだけど……でも聞いてみるか」
こんな気持ちで、生成AIに質問することはないだろうか。
イーレックスが実施した「生活者のエネルギー意識調査2026」では、生成AIを利用している人の61.5%は、必ずしも聞く必要がなかったことを「つい、なんとなくAIに質問した経験がある」と回答している。
割合を詳しくみてみると、「よくある」が13.7%、「たまにある」が47.8%。年代別では、特に若年層にこの傾向が強く、20代では74.2%、30代では67.3%に達していた。
なんとなく質問した内容としては、「好きな人と付き合うのは無理なのに、どうしたらいいか?」「誰か3000万円くれないかなぁ」など、実際に寄せられた回答もなかなか自由だ。
本調査では、こうした「なんとなく質問」を今回の調査で「AI電力浪費」と表現している。
8割近くが気にしていないが、AIは電気を使う!
ユーザーが積極的に意識することは必ずしも多くないが、AIを運用するためのデータセンターで、サーバーやプロセッサーが消費する電力は膨大だ。
しかし、生成AIがデータセンターで大量の電力を使っていることについて、78.1%は「知らなかった」または「知っていたが、特に気にかけたことはなかった」と回答している。
一方で、AIやデータセンターの普及によって日本の電力需要が増えることに関しては、67.0%が「不安を感じている」と回答。生成AI利用者に限ると、69.6%と、その割合は上昇した。
不安の内容は「電気料金の上昇」が58.1%、「電力供給が不足すること」が49.7%などという結果になった。
しかし、AI利用者のうち、電力消費が増えるなら「AIの利用を減らしたい」と答えた人は12.3%にとどまり、45.4%は「今後もAIを利用したい」と回答している。
重要なのは、電力をどう持続的に支えていくか
調査では、日本の20~69歳が1年間に生成AIへ入力するテキスト質問を約635億回と推計している。
この回数と、Googleが公表しているGeminiの「テキスト1回の応答に0.24Wh」という数値をもとに計算すると、年間の電力消費は約15.2GWhにも達するのだという。
これは一般家庭約142万世帯が1日に使う電力量に相当する、非常に大きな数値だ。
さらには、この試算はテキスト生成のみで、画像や動画生成は含まれていない。また、0.24WhはGeminiについて公開された数値で、すべての生成AIにそのまま当てはまるものではない。つまり、これよりも多くの電力が、生成AIの利用のために消費されている可能性もあるのだ。
では、電力需要の高まりを抑え、環境負荷の低減を目指すなら、AIの利用は控えるべきなのか。
今回の調査結果を見る限り、ユーザーの意識は「AIを使わない」方向には向いていない。むしろ問われるのは、増えていく電力需要に対して、どのように安定した電力を確保し、環境への負荷を抑えていくのかだろう。
電力需要が増えた場合に増やしてほしい発電方法として、54.2%が「再生可能エネルギー」を挙げた。また、AIやデータセンターで使う電力を再生可能エネルギーでまかなうことについて、56.8%が「重要」と回答。AI利用者では67.4%に上る。
AIに何気なく質問する。その便利さを享受する。その一方で、そこで使われる電気をどうつくり、どう届けるのか。
AIが当たり前になっていく時代だからこそ、その電力を支えるエネルギーについて考えることも、これまで以上に身近なテーマになっていきそうだ。
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