●逆に“解禁”へ! スコットランドでは車内飲酒が復活
一方、少し規制が緩んだ国もあります。スコットランドの「スコットレール」はコロナ禍以降、長らく全面禁酒令を敷いていましたが、2025年6月より「午前10時から午後9時まで」の時間帯に限り、車内での飲酒が再び許可されました。スコッチウイスキーの故郷を走る列車としては、嬉しいニュースです。
●酒どころか「水」も「飴」ダメ!? 知らないと怖い海外の地下鉄
ここまでお酒の話をしてきましたが、さらに厳しい現実もあります。それは、東アジアや東南アジアの都市鉄道(地下鉄や高架鉄道)では、アルコールどころか「一口の水すら飲めない」という超厳格な飲食禁止ルールが存在することです。
最も有名なのが台湾(台北・高雄のMRT)とシンガポール(MRT)。台湾のMRT駅には、改札の手前の床に「黄色い警戒線(禁止飲食区)」が引かれています。これを一歩でも越えたら、ペットボトルの水を口に含むことも、ガムを噛むことも、飴を舐めることもすべて禁止。違反すれば最大7500台湾ドル(約3万7000円)の高額な罰金が待っています。
シンガポールでも同様に、喉が渇いて一口水を飲んだだけでも、巡回中の警備員に見つかれば、問答無用で500シンガポールドル(約6万2000円)の罰金です。シンガポールは防犯カメラが張り巡らされているので、そこでもチェックされているので注意。
タイ・バンコク(BTSやMRT)やマレーシア・クアラルンプール、香港の都市鉄道でも飲食は厳禁。蓋が開いている飲み物を持っているだけで、改札を通る前に飲み干すか捨てるよう求められるケースもあります。
●日本の「当たり前」は海外では通用しない
日本の地下鉄は熱中症対策などで水分補給が推奨されており、駅のホームに自動販売機がずらりと並んでいますが、これは世界基準で見るとかなり珍しく「寛容な」環境。「列車の中でお酒を飲んだり、駅弁を食べたり、喉が渇いたらお茶を飲むのは当たり前」という日本の常識は、一歩海外に出れば非常識となり、場合によっては高額な罰金を科せられる「犯罪」になってしまうこともあります。
スマートに旅を楽しむなら、現地の法律や文化を尊重するのはマスト条件。とはいえ、国や路線によってルールは千差万別。常に最新のローカルルールをすべて頭に入れておくのは困難です。
そういうときは「翻訳アプリ」や「AIチャット」がオススメ。駅の入り口や車内に掲示されているピクトグラム(図記号)や注意書きに違和感を覚えたら、すぐに撮影して、翻訳にかけたりAIチャットに投げて、内容を読み取りましょう。
便利なデジタルツールをフル活用して情報をしっかり味方につけ、ルールを守って安全で快適な世界の鉄道旅へ出かけましょう!
この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)
世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。
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