セガのレジェンドとNVIDIAのCEOが秋葉原に集結!!
NVIDIAのジェンスン・フアン氏が秋葉原でセガに賛辞 これは巨大テック企業のトップによる社交辞令ではなく、セガのゲームに脳を焼かれたゲーマーの叫びだ
2026年07月16日 14時00分更新
NVIDIAの真価を見抜いていたセガ
1996年、セガはNVIDIAに次世代ゲーム機用のチップ「NV2」開発を委託することになるが、業界やDirectXはTriangleやInverse Texture Mappingを選択した。NVIDIAは間違った技術に突進したわけだ。NVIDIAはNV2に期待されていた性能を実装することができず、およそ9ヵ月でプロジェクトの破綻が訪れた。
JHH氏:私は日本に赴きNV2の失敗を入交さんに打ち明けました。「このプロジェクトは完遂できない」と。しかし、NVIDIAにはお金が必要でした。入交さんにNVIDIAへの支援をお願いしたところ、彼はそれを承諾してくれました。
JHH氏:その時私は日本の企業の本質(Nature)を学びました。企業と企業がビジネスをしていても、すべてがビジネスのためだけにあるわけではないのです。友情やパートナーシップ、そして互いにサポートすることも重要なのです。セガと入交さんのおかげでNVIDIAは生き残りました。
当時のジェンスン・フアン氏はセガに「成果物はない。でも金はくれ」というとんでもない要求をしたことになる。今なら同じお願いをしても門前払いになるケースがほとんどだろう。まだセガも独自ハードという攻め攻めの戦略で生きていた時代だったせいかもしれない。でも、入交氏はジェンスン・フアン氏やNVIDIAを見て会社(セガ)を納得させた。結果的に、NVIDIAは500万ドルの援助をセガから受け取り、窮地を切り抜けたのだ。
JHH氏:NVIDIAは間違った技術を選択していましたが、入交さんはNVIDIAには正しい人材がいることを見抜いていたのです。セガ、入交さん、鈴木さん……みなさんの友情やサポート、NVIDIAを信じてくれたことは私の中でとても大きなものです。日本は私にとって常に大切な場所、そしてセガも常に大切な存在です。セガとNVIDIAが今日も共に歩んでいることをセガのみなさんも誇りに思ってください。
NV1やNV2の失敗に学んだNVIDIAは、1997年に「Riva 128」をリリース。これが同社をグラフィックカンパニーのトップへと押し上げる原動力となった。NV1やNV2の独自API路線ではなく、APIは標準のDirectX準拠とし、Curved SurfaceはTriangleに、Forward Texture MappingはInverse Texture Mappingにかわった。そして1999年、ハードウェアT&Lを実装した初のGPU「GeForce 256」をリリース。その後の話はもうご存知だろう。
ジェンスン・フアン氏から鈴木裕氏へのメッセージに目頭が熱くなる
なお、この日は今秋発売予定の「RTX Spark」搭載ノートPCがサプライズで登場し、バーチャファイターの新作「バーチャファイター クロスロード」を動かすデモが行われた。入交氏や鈴木氏はもちろん、ジェンスン・フアン氏すらもはじめて動いているシーンを見たとのこと。フレームレートや動作の様子(ネイティブなのか、Prism経由のエミュレーションなのか)は不明だったが、見た感じRTX Sparkでスムースに動いていた。
さらにジェンスン・フアン氏は鈴木氏に熱いメッセージを投げかけた。
JHH氏:鈴木さんの3Dビデオゲームと3Dアニメーションにおける先駆的な仕事がなければ、ビデオゲームの世界は今とはまったく違ったものになっていたでしょう。あなたのすばらしい先駆的な仕事がなければ、今のゲーム業界はありえませんでした。
JHH氏:インバースキネマティックス、3Dアニメーション、グラフィックス技術、そして世界初の家庭用リアルタイム・テクスチャーマッピングの応用など、見事なブレイクスルーの数々です!そのどれもが鈴木さんなしには不可能だったでしょう!
熱い。これは巨大テック企業のトップによる社交辞令ではなく、セガのゲームに脳を焼かれたゲーマーの叫びだ。筆者は感極まって泣きそうになってしまった。歳をとって単にあちこちがゆるくなってしまっただけかもしれないが。
近年のNVIDIAは完全にAIの旗振り役になってしまったおかげで、ゲーマーからはちょっと遠い存在になってしまったと感じている人も少なくないだろう。だが、ジェンスン・フアン氏には、グラフィックチップも作らずバーチャファイターに興じている若きゲーマー兼技術者としての血が今も熱く流れている。そんなことを感じさせるイベントだった。
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