「プロアクティブなセキュリティ」を重視するアプローチ転換を、WithSecure年次イベントレポート
「防御に回るころには、すでに手遅れ」“Mythos以後”のサイバー脅威のリアルにどう立ち向かうか
2026年06月30日 08時00分更新
プロアクティブからリアクティブまでを統合した「WithSecure Elements Cloud」
WithSecureでは、マネージドサービスプロバイダー(MSP)向けに、統合セキュリティプラットフォームの「WithSecure Elements Cloud」(以下、Elements)を提供している。このプラットフォームを使って、MSPは中堅中小企業層に対してマネージドセキュリティサービスを展開できる。
Elementsは、EPP、EDR/XDR、脆弱性管理、CSPM、メール/チャット保護といったセキュリティ機能を包含しており、単一のポータル画面から管理できる。生成AIアシスタント「Luminen」による脅威解析や対応支援の機能、MSPが多数の顧客に提供するための管理や課金の機能も備える。
ラークソネン氏は「Elementsは単なるセキュリティツールではなく、セキュリティ業務全体を運用するためのプラットフォーム」だと紹介したうえで、プロアクティブな機能とリアクティブな機能がシームレスに統合されていること、その全体をAIが支えていることを強調する。
「Elementsは、デフォルトでプロアクティブなセキュリティに対応しており、追加のツールを導入する必要はない。その一方で、Elementsマネージャー(管理ポータル)は、プロアクティブとリアクティブのセキュリティを一つの同じゴールへと導く」(ラークソネン氏)
“米国一辺倒のAI・セキュリティ”の地政学的リスクも指摘
ジェイ氏は、ヨーロッパ(フィンランド)企業であるWithSecureのユニークなポジショニングを強調した。
Mythosを巡っては、6月、米商務省が「Claude Mythos 5/Fable 5への非米国民のアクセスを停止せよ」という輸出管理指令を出した。この指令に伴って、Anthropicでは米国民を含むすべてのユーザーへの提供を停止した。つまり、最新のフロンティアモデルが、国家のサイバー安全保障上の脅威、あるいは自国優位をもたらす武器として扱われ始めている。AIモデルに限らず、セキュリティ製品においても、米国への過度な依存は他国にとって安全保障リスクとなりかねない。
こうした動向に直接触れたわけではないものの、ジェイ氏は、セキュリティソリューション市場において米国が支配的な立場にあること、地政学的な状況を考えるとセキュリティには中立性が求められることを指摘したうえで、“ヨーロッパ製のオルタナティブ(異なる選択肢)”としてWithSecureが存在することの価値を強調した。「われわれは、ヨーロッパのセキュリティにおけるフラッグシップになりたいと考えている」(ジェイ氏)。
そのための具体的な戦略として、ジェイ氏は、プロアクティブなセキュリティへのシフトのほか、Elementsが搭載するAIを用いた運用の簡素化と高度化、日本のMSPや販売代理店とのパートナーシップ強化といった項目を挙げた。
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