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業務を変えるkintoneユーザー事例 第313回

アイシン・ソフトウェアが「人」と「プロセス」で育てた市民開発者

kintoneを“一度封印”して再出発 DXの逆襲はトヨタ生産方式による業務整理から

2026年06月19日 09時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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“385時間”削減の成功事例を創出 失敗から得た“DXの本質”とは

 人事データベースの刷新は、現場に劇的な成果をもたらした。年間385時間の業務削減につながり、メール送信・コピペといった作業点数も半減以下にまで抑え込むことに成功。齊藤さんは、「現場にとっては、煩雑な作業が少なくなったことが、何より大きな喜びだったと思います」と振り返る。

現場も喜ぶ結果につながった人事データベースの刷新

 この成功事例をきっかけに、kintoneの認知は一気に拡大。それと同時に業務プロセスの改善への理解も深まり、現場主導の改善推進の部署まで発足されるまで至った。

 現在DXチームは、この新部署をサポートする形でDXを推進している。成果を上げたVSMのガイドライン化やkintoneアプリ作成の伴走支援などを展開。そして、2025年度には、待望の市民開発者が「8名」誕生している。

 そして現在、齊藤さんらチームが注力しているのが、「文化醸成」だ。

 これまで齊藤さんは、kintoneを推進する上で、社外コミュニティに積極的に参加し、他社との情報交換を重ねてきた。それを発展させ、アイシングループ内でkintoneコミュニティを発足。そこには、グループの標準ツールであるMicrosoft 365やPower Platformに日々苦労している非IT人材が集まっている。

 ここまで計5回社内イベントを開催しており、社外のkintoneユーザーも招待。さらに、グループ内の動画基盤サービスに、改善事例を定期配信することも始めている。

 齊藤さんは、「DXチームがいなくても、社員同士が勝手に学び合う環境を作ることが目標」だと語る。目指すのは、社員全員を市民開発者に変えることだ。

自社を飛び越えグループ内でコミュニティを発足

 最後に齊藤さんは、「DXの本質はツールではないです。人や人材育成、そこから得られたノウハウ、そしてそれをいかに広げていくかが本質です。皆さんの現場でも、人とプロセスからDXを始めてください」と呼びかけた。

アフタートークの様子

 セッション終了後には、サイボウズ中部営業所の柴田知佳さんとのアフタートークが繰り広げられた。

柴田さん:Power Platformとの比較が印象的でしたが、開発スピードや市民開発のしやすさに重きを置いた理由はありますか?

齊藤さん:過去に現場のことが分からないままシステムを作った結果、開発に時間がかかり、運用でも現場に迷惑をかけた経験がありました。そこから、市民開発ありきという発想に至りました。

柴田さん:積極的な社外との交流で学ばれたことはありますでしょうか。

齊藤さん:kintoneをよく知らない状態で、kintone Cafe(勉強コミュニティ)に初参加した際に、地元の中小企業さんの取り組みに衝撃を受けました。我々にないスピード感に、良い意味で危機感を覚えたことが印象に残っています。

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