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「Siri AI」登場でアップルのAI大幅進化! 「WWDC26」特集 第12回

課金AIはもう不要!? 進化した「Siri AI」のヤバすぎる実力と、日本人が直面する“言語の壁”

2026年06月11日 09時00分更新

文● 山本 敦 編集●ASCII

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 アップルがクパチーノの本社で開催した開発者向けイベント「WWDC 26」の基調講演は、まさに「AI(Apple Intelligence)一色」といえる内容でした。次世代のApple Intelligenceと、それを根底から支えるパーソナルアシスタント「Siri AI」の発表に多くの時間が割かれました。

 注目を集めたグーグルのAIプラットフォームとのコラボレーションや、さらに賢くなるSiri AIが日本国内でいつ、どのように使えるのかなど、情報を整理してみましょう。

 そしてApple IntelligenceやSiri AIの進化が、この秋の登場が予想される次世代のiPhoneやiPadといったアップルの新製品にどのような体験価値をもたらすのか、今後の展望も予想・解説します。

アップルがWWDC 26で発表した、Apple IntelligenceとSiriの進化について振り返りながら、次世代のプロダクトを予想します

グーグルとのコラボレーションは
表面的なものではなく、基盤レベルの深さだった

 WWDC 26の現地会場に世界各国から集まったジャーナリストとクリエイターたちの間でも、アップルとグーグルによるGeminiファミリーモデルのコラボレーションに関連する話題が注目を集めました。現在もSiriからChatGPTを呼び出して検索などに利用することは可能ですが、今回のGeminiとの取り組みは根本的にアプローチが異なっています。

 これまでのChatGPTとの連携は、Siriが自分では処理しきれない複雑な質問に対して「ChatGPTに聞いてみましょうか」とユーザーに許可を求め、外部のOpenAIのサーバーにタスクを引き継いでいました。Apple Intelligenceの枠外にある、より優秀な外部のアシスタントを必要な時に呼び出して、ピンポイントで課題を解決するような仕組みです。

基調講演の後にApple本社で開催されたメディア向けの技術セッションでは、ソフトウェアエンジニアリング担当シニア・バイスプレデントのクレイグ・フェデリギ氏がグーグルとのコラボレーションに関連する詳細を説明しました

 一方で、グーグルのGeminiとのコラボレーションは、Apple Intelligenceのシステム基盤への「深い統合」が実現することを意味しています。アップルはGeminiのテクノロジーをベースにして、独自の第3世代の基盤モデルである「Apple Foundation Models(AFM 3)」を構築・強化しています。

 テキスト生成や高度な画像理解など、システム全体を動かす土台をつくるためにGeminiの技術が活用されているというわけです。

 ユーザーの体験としては、ChatGPTの時のようにその都度Geminiを呼び出す必要はありません。プライバシーが保たれたApple Intelligenceのデバイス上(オンデバイス)や、Appleシリコンにより構成されるPrivate Cloud Compute(PCC)の中で、シームレスに高度なAIの支援を受けることができます。

日本語での利用は来年以降?
すべての機能が「無料」というわけではない?

 では、日本のユーザーはいつ進化したApple Intelligenceを体験できるのでしょうか。結論からいえば、すべてを日本語でフルに活用できるようになるまでには、まだ少し時間がかかりそうです。

 基調講演でも発表されていたとおり、一般ユーザー向けの新しいSiri AIは今年の後半にベータ版として提供開始となりますが、まずは「英語のみ」のスタートになります。日本国内においてもOSとSiriの言語設定を英語にセットすれば、ベータ版の機能の一部を体験することはできると思います。

 ただし、ここで課題となるのは、Apple Intelligenceの最も大きな強みである「パーソナルな連携」です。新しいSiri AIの実力は、デバイス内に蓄積されたユーザーのプライベートなメール、メッセージ、写真や動画、スケジュールなどのデータから「文脈」を深く理解して、ユーザーに最適化した提案ができることです。

 もしデバイスの各言語設定を英語にしたとしても、ユーザーの端末の中にあるデータは多くが日本語でのやり取りになっているはずです。メールやメッセージの細かなニュアンスをApple Intelligenceが正確に読み取り、賢く提案してくれるようになるためには、やはり正式な日本語対応が欠かせないと思います。

Siri AIは、ユーザーのデバイスに保存されているパーソナルなデータを活用しながら、より精度の高く、役に立つ提案をユーザーに戻すことができます。そのためにはApple Intelligenceのシステム全体の各言語対応が鍵を握っていると思われます

 そしてもう一つ気になるのが、ユーザーにかかるコストの負担です。

 Apple Intelligenceの基本機能は、最新のソフトウェアアップデートを通じて「無料」で提供されます。しかし、すべてが無料&無制限というわけではありません。高度な画像生成など、強力なサーバーモデルの処理能力に大きく依存する機能については、1日あたりでの利用制限が設けられることが基調講演でも明言されました。この制限を緩和しつつ、より頻繁に高度な機能へアクセスするには「iCloud+」のサブスクリプション契約が必要になります。

 新しいSiri AIは自然な対話能力が大きく向上し、過去の文脈を踏まえた連続したやり取りが可能になります。さらに、システム全体での自動校正(プルーフリーディング)機能や、精度が大幅に向上した音声入力(ディクテーション)もOS標準で搭載されます。別途アプリやブラウザを立ち上げて、外部のAIサービスにアクセスしなくても、iPhoneやMacのホーム画面からデバイス上のSiri AIを呼び出して、これらの一連の作業をシームレスに行える利便性はおそらく実感を伴うものになるはずです。

 ただし、Siri AIと自然に会話を交わせる機能などを使うためには「最もパワフルなオンデバイスモデル」が必要になるとされており、この場合は対応する端末に最新のiPhone 17ファミリとiPhone Air、新しい世代のApple Mチップを搭載するiPadやMacが必要になります。

 一方で、負荷がかかる機能を使わなければ、動作環境は「27」世代のiOS、iPadOS、macOS、watchOSにvisionOSを搭載するデバイスで広く試せるようです。

パワフルなオンデバイスモデルのモデルをスムーズに動作させるためには、新しい世代のAppleシリコンを搭載するデバイスが必要になります

 iPhoneなど最新の端末と、Apple Intelligenceの日本語対応が完了していることが前提とはなりますが、これほど高度なオンデバイスAIのサービスが組み込まれるならば、「もう有料課金のGoogle AI ProやChatGPT Plus、Claude Proを選ぶ必要はないかもしれない」と考える方も少なくないと思います。

 ただ、Apple Intelligenceもやはり画像生成など強力なサーバーモデルに依存する機能については1日の利用制限が設けられ、iCloud+の有料サービスの契約が必要です。「無料のApple Intelligence」でどこまで使えるようになるのかは、筆者も気になっているポイントです。

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