東洋紡がパロアルトネットワークスと進める「プラットフォーム化」という突破口
身代金要求攻撃の被害額は「1社平均6.4億円」 それでも6割超が「支払いを否定しきれない」苦境
2026年04月20日 08時00分更新
東洋紡が推進する「プラットフォーム型セキュリティ」への転換
説明会の最後には、パロアルトネットワークスの製品でPlatformizationを推進する企業を代表して、総合素材メーカーである東洋紡の矢吹哲朗氏が登壇した。
矢吹氏は、2022年に同社に参画し、2026年4月からは社長直轄の組織においてCIOとCSOを兼任している。同氏は、「近年の東洋紡におけるサイバーリスクに対する考え方は大きく変わった。私の入社前に、ランサム被害で基幹システムの一部が停止する事態を経験したこともあり、2年に1回コンサルティングを入れて、20を超える道具(製品)で対策してきたのが数年前までの実態」だと振り返る。
セキュリティ製品が増加する一方で、総合的なリスク予防や投資対効果の算出は困難を極め、コストばかりが増大していたという。そこで、よりシンプルで拡張性のあるプラットフォームへの集約を決断したのが約4年前。複数ベンダーで比較した上で、選ばれたのがパロアルトネットワークスだ。
矢吹氏は、同社製品で個々の機能の価値は上がった分、「高価」な点が課題だと率直に語る。しかし、グループ全体でのセキュリティ強化を見据える中では、AIによる運用の自動化によってトータルでのコストメリットが生まれると評価する。
現在は、パロアルトネットワークスのセキュリティ運用基盤「Cortex XSIAM」から得られる脅威情報の判断については内製化しており、重要事案の発生時には外部委託先にエスカレーションする体制を整えている。「脅威の進化速度は、ユーザー企業が追いつけないほどで、専門人材の確保も容易ではない。AIを活用しながら最新のナレッジを評価・意思決定していくのが現実解ではないか」(矢吹氏)
最後に語られたのは、セキュリティ予算のあり方だ。現在、リスクマネジメント部門において、地政学的リスクや自然災害リスクと同列で、セキュリティリスクを位置付け、ITコストから分離することを検討しているという。
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