いま、Androidが大きく変わろうとしている。
先日、アメリカ・サンフランシスコで開催されたGalaxy S26シリーズの発表会では「オペレーティングシステム」から「インテリジェントシステム」に進化していくという方向性が示された。
サムスン電子とグーグルはAIでAndroidそのものを一変させようとしているの。その狙いはどこになるのか。
グーグルのAndroid Platform & Pixel Software のバイスプレジデント 兼 ジェネラルマネージャーであるシーン・チャウ氏は「先日のGalaxyのイベントは、まさに私たちがAndroidをどこに向かせるつもりなのか。そのチラ見せのようなものだった」と振り返る。
AIがユーザーに“先回り”
ここ数年、スマートフォンにAIアプリが搭載されてきたが、あくまで「検索の延長」に過ぎないものが多かった。チャットボットとして、単にアプリにテキストを入力する、音声で会話するという従来の操作性の範疇に収まっていた。
しかし、チャウ氏は「これからプロアクティブなAIになっていく。Androidがユーザーの役に立てると判断したら『お手伝いできますよ』と提案するようになる」と語る。
プロアクティブとは「先回り」という意味になる。
これまでのオペレーティングシステムは、ユーザーが画面をタッチしてアプリを起動。やりたいことを終えたら、ホーム画面に戻ったり、次のアプリを起動するといったことを行う。また、アプリアから別のアプリにテキストをコピーするときには、指で長押ししてコピーして、別のアプリを起動、ペーストするといったかなり煩雑な行程が必要だ。
「アプリの起動や終了など、オペレーティングシステムはアプリの振る舞いを管理するような存在といえる。一方、我々が目指すインテリジェントシステムは、エージェントがプロアクティブな能力を発揮し、ユーザーの意図を理解して、先に提案してくれるようになる」(チャウ氏)。
例えば、ユーザーの現在地とカレンダーに入っている次の目的地をスマホが把握し、もしかしたらタクシーが必要かもしれないと判断したら、「次に予定している場所に行くためにタクシーが必要ですよね。呼び出しましょうか」とポップアップで知らせるようになるという。
すでにライドシェアアプリやショッピングアプリ、料理の注文などで、英語と韓国語でのテストを実施。高い成功率が確認されているという。直近ではGalaxy S26シリーズとPixel 10シリーズのベータ版プロダクトに提供予定だ。
これまでのAIは「これを調べるなら、AIに聞いた方がいいかも」といったように、ユーザーが自分で意識してAIを使っていた。
しかし、これからは「AIが必要な情報を必要なタイミングで提示してくる。AIがユーザーの手助けをするようになっていくだろう」(チャウ氏)という。

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