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2025年は訴訟が多発、一方で協業の動きも……これからの見通しは

「生成AIの学習」「AI検索」が著作権侵害に当たるケースは? 日本弁理士会が解説

2026年02月04日 07時30分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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著作権法30条の4:“AI学習用途ならば著作権侵害にならない”と単純に理解してはいけない

 久村氏が取り上げたひとつめの題材が、2025年6月に米国で判決が出た“作家 VS. Anthropic(アンソロピック)”の訴訟だ。これは、AnthropicがAIモデルの学習に書籍を無断利用したとして、米国の作家たちが著作権侵害の集団訴訟を起こしたもの。

 判決では、正規ライセンスに基づき入手した書籍データをAIに学習させることはフェアユースと判断する一方で、Anthropicが海賊版書籍のデータを用いた部分が著作権侵害に当たるとされ、最終的にはAnthropicが15億ドル(約2200億円)を支払う形で和解が成立した。

 「米国ではフェアユース(公正利用)を個別に判断することになるが、ひとつの判断例として『海賊版書籍についてはフェアユースに該当しない』ことが示された」

 久村氏は、日本においても同様の見解になる可能性があると説明した。

 日本では、著作権法30条の4において、AI学習やデータ解析に著作物を無断利用してよいという例外規定があり、“学習パラダイス”と表現されるほどだ。ただし、条文には「著作権者の利益を不当に害する場合を除く」とも明記されている。文化庁ウェブサイトで公開されている資料「AIと著作権Ⅱ」では、「海賊版等と知りながらの学習データの収集を行うといった行為は、厳にこれを慎むべきもの」との考え方が示されている。これらのことから、久村氏は次のような見解を述べる。

 「AI学習を目的に海賊版書籍をデータ収集に利用する行為は、例外規定とされる30条の4が適用されない可能性があると考えられる。正規版であれば著作権者に多少なりとも利益があるが、海賊版は『著作権者の利益を不当に害する』と見られるからだ」

AI学習用途での著作物利用に対する制限が比較的ゆるやかな日本だが、もちろん制限されるケースはある(出典:文化庁 資料「AIと著作権Ⅱ」

 さらに、正規版の書籍(電子書籍)はダウンロード先やデータ改変に制限がかかっていることが一般的だが、海賊版にはそうした制限がなく、コピー&ペーストやデータの改変が容易にできることも、著作権者にとっての懸念点だと付け加える。

 もうひとつ、正規版書籍を用いる場合でも、その利用目的が30条の4に示された「著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合」という例外規定に該当するかどうかが議論になるという。

 「AI学習を目的とした書籍データの収集および利用行為は、常に30条の4(の条文解釈)がつきまとう問題となる。“日本は学習パラダイス”などと言われるが、AI学習目的であればデータ収集利用が何でもOKになっているわけではない。正規ダウンロードなどで合法的に入手したもの以外は、原則として著作権侵害となる。著作権法30条の4は『例外』として、一定の範囲内でのみOKであるという基本に立ち戻って考える意識が大切だ。例外なので、海賊版の利用以外でも、行為が認められないことは十分にありうる」

 ちなみに日本では近年、海賊版書籍への対策が進んでおり、海賊版をアップロードした人物だけでなく、海賊版書籍のダウンロードサイトへのリンクを張った場合や、海賊版書籍に関する情報掲載をサイト管理者が放置した場合にも著作権侵害と見なされる。

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