このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

最新パーツ性能チェック 第473回

「Ryzen 7 9850X3D」速攻検証:クロックが400MHz上がった以上の価値を見いだせるか?

2026年01月28日 23時00分更新

文● KTU (加藤勝明) 編集●北村/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 2026年1月30日11時(日本時間)、AMDは「Ryzen 7 9850X3D」の国内販売を解禁する。国内価格は税込9万4800円。2024年11月に発売された「Ryzen 7 9800X3D」の初値が8万6800円、2025年1月に発売された「Ryzen 9 9950X3D」が13万2800円であったため値上がり感は否定できないが、昨今の経済事情を考慮すれば仕方のないところだろう。

 Ryzen 7 9850X3Dのスペックについては、すでに「CES 2026」で発表があった通り。アーキテクチャーはZen 5、物理コア数は8基、TDPは120Wといった基本スペックはRyzen 7 9800X3Dから変わっていない。最大ブーストクロックをRyzen 7 9800X3Dの5.2GHzから5.6GHz設定に引き上げたという点だけで型番が+50されているのだ。

Ryzen 7 9850X3Dの表面。ヒートスプレッダーの形状やキャパシターの配置などは、すべて既存のRyzen 9000シリーズと共通である

「CPU-Z」でCPUの情報を取得。コア数やキャッシュの構成、TDPはRyzen 7 9800X3Dと同じ。このスクリーンショットを撮影した瞬間のクロックが5.589GHz、すなわちほぼ5.6GHzである点に注目

 というわけで我々の興味は、Ryzen 7 9850X3Dはクロックが低い(だけの)9800X3Dよりどの程度速くなったのか、クロックが上がったぶん消費電力はどの程度増えたのかの2点に絞られる。今回は基本的なベンチマーク+ゲーム数本で検証することにしたい。

Ryzen 7 9850X3Dと、その近傍の製品とのスペック比較
  Ryzen 9 9950X3D Ryzen 7 9850X3D Ryzen 7 9800X3D
アーキテクチャー Zen 5 (4nm+6nm) Zen 5 (4nm+6nm) Zen 5 (4nm+6nm)
コア/スレッド 16/ 32 8/ 16 8/ 16
ベースクロック 4.3GHz 4.7GHz 4.7GHz
ブーストクロック 5.7GHz 5.6GHz 5.2GHz
L2キャッシュ 16MB 8MB 8MB
L3キャッシュ 128MB 96MB 96MB
対応メモリー DDR5-5600 DDR5-5600 DDR5-5600
TDP 170W 120W 120W
内蔵GPU Radeon Graphics Radeon Graphics Radeon Graphics
対応ソケット AM5 AM5 AM5
CPUクーラー 別売 別売 別売
初出時税込価格 ¥132,800円 ¥94,800 ¥86,800

AMDも昨今のDDR5メモリー相場には憂慮しているようだ。AMDはDDR5-6000がオススメ(ただメモリーオーバークロックには違いないので自己責任での動作となる)としているが、DDR5-4800で運用しても平均フレームレートは2%も変化しないと謳っている。メモリークロックが少々低くても3D V-Cacheがそのハンデを吸収してくれるためだ

コア数上のRyzen 9 9950X3Dにも勝てるのか?

 今回の検証環境を紹介しよう。比較対象に用意したCPUはRyzen 9 9950X3DとRyzen 7 9800X3D、さらに「Core Ultra 9 285K」の3つ。Ryzen 9 9950X3Dはブーストクロックが同じだがコア数とTDPにおいてRyzen 7 9850X3Dが圧倒的不利、Ryzen 7 9800X3DはブーストクロックのみにおいてRyzen 7 9850X3Dが有利。Core Ultra 9 285Kはコア数においてRyzen 7 9850X3Dは不利といったところだ。

 メモリーモジュールはAMDから届いた評価機がモジュールもセットだったが、DDR5-6000だったこと、インテル環境とモジュールをそろえたいという観点からDDR5-6400(EXPO/ XMP両対応)のモジュールを用意、RyzenはDDR5-5600動作とした。

 そしてGPUは「Radeon RX 9070 XT」、ドライバーはAdrenalin 25.12.1を採用した。インテル環境において電力設定は「Intel Base Profile」とし、さらに「Intel 200S Boost」も有効とした。Core Ultra 9 285Kは若干ゲタを履いていることになるが、その結果どうなるか注目していただきたい。

 その他の設定は次の通り。Resiazble BARやSecure Boot、メモリー整合性やカーネルモードハードウェア強制スタック保護、HDRなどは一通り有効化、ディスプレーのリフレッシュレートは144Hzに設定している。

検証環境
CPU AMD「Ryzen 9 9950X3D」 (16コア/32スレッド、最大5.7GHz)
AMD「Ryzen 7 9850X3D」 (8コア/16スレッド、最大5.7GHz)
AMD「Ryzen 7 9800X3D」 (8コア/16スレッド、最大5.2GHz)
インテル「Core Ultra 9 285K」 (24コア/24スレッド、最大5.7GHz)
CPUクーラー EKWB「EK-Nucleus AIO CR360 Lux D-RGB」(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASRock「X870E Taichi」(AMD X870E、BIOS 4.03.TS04)
ASRock「Z890 Taichi」(インテルZ890、BIOS 3.15)
メモリー Micron「CP2K32G64C40U5B」 (32GB×2、DDR5-5600/ 6400)
ビデオカード ASRock「Radeon RX 9070 XT Taichi 16GB OC」(Radeon RX 9070 XT、16GB GDDR6)
ストレージ Micron「CT2000T700SSD3」(2TB M.2 SSD、PCIe Gen 5)
Silicon Power「SP04KGBP44US7505」×2(4TB M.2 SSD、PCIe Gen 4)
電源ユニット ASRock「TC-1300T」(1300W、80 PLUS TITANIUM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(25H2)

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

  • 角川アスキー総合研究所
ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

デジタル用語辞典