次世代EPYCのVeniceは
第5世代EPYCとSocketの互換性がない可能性大
あらためて基調講演で示されたHeliosのラックが下の画像であるが、このブレードとスイッチの構成推定が下図である。
これが正しいとすると、Heliosラック全体の構成は下図のようになるのではないか? というのが筆者の推定である。
次はVeniceとMI455Xの詳細である。今回初めてHeliosの詳細が公開されたが、CPUコアは全部で4600個とある。Compute Bladeは全部で18枚なので、4600÷18=255.555……でCompute Bladeが1枚あたり256コアという計算になる(256×18=4608なので、丸めれば4600コアである)。
Veniceの実物も公開されたが、少し暗いのでパッケージの周りだけを明るく示したのが下の画像である。
ここからわかるのが、以下の3つとなる。
- CCDは32コアに強化された。
- 従来のMCM(Multi-Chip Module)構造から、Interposerを利用した構造に変更されたように見える。
- 従来のIoDの構造と異なっている様に見える。L3の持ち方も変わっている可能性がある。
下の画像はVenice周辺を拡大したものだが、どう見てもDIMMスロットが16本存在している。つまりVenice世代のEPYCは、第5世代EPYCとSocket互換性がないものと考えられる。DDR5 DIMMを16ch接続、という時点でSocket形状に互換性を持たせるのは不可能だからだ。
ここで気になるのはZen 6ダイのL3の持ち方だ。ダイそのものの大きさは、Zen 5cベースのダイ(Zen 5c×16コア)とそれほど変わらないように見えるが、プロセスを微細化した(3nm→2nm)とはいえ、コアを倍増できるとは思えない。可能性としてあるのは、CCDにはもはやL3を持たない可能性だ。
IoDとして2つのダイがあるというのは、下図の構造になっており、CCDはコア+L2が32個入っているだけで、L3はIoD側(IoDという名前かどうかも怪しいが)に移っているという可能性だ。
2つめの可能性は、CCDの側がZen 5の3D V-Cacheと同じく2層構造になっており、Compute Dieの下にL3 Dieが位置しており、これでL3をローカルに持つ構造だ。ただし、コストが思いっきり上がるのであまり現実的な案とは思えない。特にCCDをコンシューマー向けのRyzenと共用する構図が引き続き維持されるのだとすればなおさらだ。それよりはIoDの方にL3を置いて、必要ならそのIoDの側のL3をそれこそ3D V-Cacheのように積層する形で増量する方が妥当かと思われる。
3つ目の可能性は、前述のVeniceの実物画像に見えているIoDと思しきダイは全部L3であり、このCCD×8+L3×2のダイの下に、メモリーコントローラー(と、なんならL4キャッシュ)とインフィニティ・ファブリックを載せた大きなIoDが置かれるという構図だ。Instinct MI300Xシリーズと同じ構成である。コンシューマー向けのRyzenには不可能だろうが、サーバー向けのEPYCであれば不可能ではない。
最終的にどの構成が正解かは現時点ではなんとも言い難いが、とにかく従来のEPYCとはまったく違う構成になっていることだけは間違いなさそうだ。
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