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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第137回

画像生成AI「Nano Banana Pro」で判明した“ストーリーボード革命”

2025年12月22日 07時00分更新

文● 新清士

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シーンで分割→アップスケールも可

 また、生成した分割画像は指定してアップスケールさせることで、そのカットだけ取り出すことができます。明日来子さんと猫の9分割のシーンを読み込み「KF1の画像だけ取り出して」と指示したものです。その結果、KF1だけがアップスケール化されて出てきます。

 文字が邪魔であれば、文字も消すことができます。「境界線とテキストを全部消して」と指示するだけで、KF1などの記号は削除されます。

「KF1の画像だけ取り出して」として出力された状態

「境界線とテキストを全部消して」として出力された状態

 Nano Banana Proは基本サイズが2Kのため、3:2では2528x1696とそれなりにサイズが大きめになります。9枚に分割した場合には、842x565となるため動画AIでは十分に入力画像として使える画像とも言えます。そのため、一度に生成した画像をそれぞれ分割したいというニーズが生まれます。

 筆者は、最初はPhotoshopで分割してセーブしていましたが、Google AI StudioのBuildを使って、自動で分割するアプリ「StorySplitter」を作成してみました。画像を分割して一括セーブするだけでなく、Gemini Flashをつかってその画像のプロンプトを生成する機能も入れてあります。分割も3x3だけでなく、2x2、4x4など多様な分割に対応しています。無料で公開していますので、自由にお使いください(リンクは記事の末尾)。

StorySplitterの画面

 一旦、シーン画像として生成できれば、そこからは動画AIのキーフレーム画像として利用することで様々な使い方ができます。例えば、ComfyUIのテンプレート「連続終始フレーム動画結合」を使えば、Wan2.2の始点・終点画像を6枚連続して入力画像としてつなげた動画を生成することができます。それに先ほど作成した9枚の画像を配置してやるだけで、特定のシーンを作成することができます。

ComfyUIのテンプレート「連続終始フレーム動画結合」の画面。操作は非常にシンプル

△明日来子さんが猫を抱き上げる15秒の作例。音楽や効果音、声は他のアプリを利用している

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