住民からは不安も、採算には自信
ただ、すでに急激な人口減少が起きているニュータウンで、新たに大規模なコンビニを出店して採算が成り立つのだろうか。池田市伏見台も、かつてローソンが出店していたが、撤退した過去があったという。住民からは「採算がとれるのか。この先、どうなっていくのか」といった不安の声が上がっている。
しかし、ローソンの竹増貞信社長は「かつてコンビニはおにぎり、弁当だけを買うという場所だった。しかし、いまでは野菜や肉などもそろう。さらに無印良品を取りそろえていることで、化粧品や下着などの生活必需品も手に入る場所に進化している」と胸を張る。
実際、コンビニは周辺に2000名程度の住人がいれば、1店舗の経営が成り立つと言われて言う。その点、伏見台には5000名の住民がいるため、採算ラインには十分に達しているとみているようだ。
ドローンポートも設置
今回、ローソンが池田市でハッピー・ローソンタウンを作る上で、協力を仰いだのがKDDIだ。現在、KDDIはローソンに出資を行っている関係性がある。
KDDIとしては、伏見台エリアを含む池田市全域において、人流データを活用した観光、子育て支援や、オンデマンド交通「mobi」を活用した地域交通の利便性向上に取り組むという。また、災害時にリアルタイムで被災状況を上空から確認するためのAIドローンを装備したドローンポートの設置も進めていくとしている。
KDDIでは全国に1000カ所、ドローンポートを設置し、「なにかあれば10分以内にドローンが駆けつける体制」を構築しようとしている。
大阪北摂地域では、6カ所にドローンポートを設置すれば、10分以内で駆けつけられる体制が構築できるようだ。池田市は伊丹空港に近く、航空法の兼ね合いもあって、すぐに実用化できるかは不透明だが、将来的にニュータウンにドローンが飛ぶ世界観を目指していくようだ。

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