意外とゲーミング用途もアリ!?
新車のSUVみたいな価格に驚愕!450万円超のAMD Ryzen Threadripper PRO 9995WX搭載PC、どんな人がどんな用途で買うの?
2025年12月20日 11時00分更新
マザーボードはASRockのWRX90 WS EVO
――マザーボードはThreadripper 7000シリーズにあわせて用意されたモデルですが、9000シリーズでも問題はないでしょうか?
原口氏:マザーボードの「WRX90 WS EVO」は、Threadripper 7000シリーズのときにもセブンアールジャパンさんに採用していただいたモデルです。このマザーボードは、Threadripper 9000シリーズにも対応しており、動作に問題はありません。WRX90 WS EVOの発売日は2024年4月26日と、Threadripper 9000シリーズの1年前の製品になりますが、弊社は未来のCPUにも対応させるというのが設計のベースにあります。このマザーボードもThreadripper 7000シリーズが登場した際に、オーバークロックを行うことで700Wとか1000WとかCPUで消費させても安定動作するかを前提として開発していますので、Threadripper 9000シリーズが登場してきても問題がないというわけです。
――なるほど。将来を見据えた設計をされているというわけですね。
原口氏:はい。あと、このWRX90 WS EVOはなんでもできるように設計しています。例えば、高性能なCPUが欲しいけどGPUは安価なもので十分だという人もいれば、ストレージをできるだけ多く搭載したいという人や、CPUのグレードを落としてビデオカードを4枚搭載したい人など、さまざまな需要がありますが、このWRX90 WS EVOはどのような使い方にも対応できる高い柔軟性を備えています。ですので、どんなお客様にも最適な形で使っていただけるような形を、体現したマザーボードになっているのかなと。
――電源ユニットは製品名でゲーミングを謳っていますが、ワークステーション向けでも通じる性能を備えているということでしょうか?
原口氏:はい。 弊社の電源ユニットのラインナップでは、 最上位にTaichiシリーズがありますが、このPhantom Gamingシリーズでも12V-2x6コネクターの保護機構や、USB機器の安定性を高める+5VブーストモードといったASRock独自機能は同じで、トータルパワーエクスカーションや変換効率の違いがあるものの、瞬間最大消費電力は220%なのでワークステーションとしても安心してお使いいただけます。
――ちなみに、電源ユニットの容量はほかにもあるのでしょうか?
中嶋氏:はい。定格出力が1300W、1200W、1000Wのものを用意しています。お客様には構成にあわせて適宜BTOで選択していただければと思います。ちなみに、このPhantom Gaming PG-1300Gは、弊社のほかのモデルで非常に高い人気を誇っています。
――ふだんゲームしかしないような多くのエンドユーザーからすると、Threadripperは距離感が遠いもののような気がします。
原口氏:先ほど佐藤さんからThreadripper 9000 シリーズのゲーミング性能が優れているというお話がありましたが、実際にプロゲーマーの中にはThreadripperを使ってる方がいらっしゃいます。さすがに、Threadripper PRO 9995WXのような96コアではなく、Threadripper 9970Xのような32コアモデルのほうなのですが、配信しながらゲームをプレイするといった用途で使っているそうです。
――たしかに、1台のPCでゲームプレイ&配信だとCPUのコア数は重要ですよね。
原口氏:その方はビデオカードとキャプチャーカード、それに高速なLANカードを搭載して、配信とゲームプレイ、それに動画編集とアップロードをすべて1台行っているそうです。そういった用途では、Threadripperが最適なプラットフォームなようです。最近では動画のエンコードにGPUを利用する場面が少なくないですが、Threadripperのプラットフォームであれば、そのために別途ビデオカードを装着して、エンコード中にもう1枚のビデオカードでゲームをプレイするといった使い方も可能です。
――ビデオカードはGeForce RTX 5090以外の選択肢はありますか? 例えば、AMDだと「Radeon AI PRO R9700」(以下、AI PRO R9700)のご用意はあるのでしょうか?
中嶋氏:もちろん、BTOではほかのGPUも選べます。GeForceだけではなくRadeonも多数ラインナップしております。AI PRO R9700については、お客様のご要望があれば別途対応したいと考えています。お二方(AMDの佐藤氏とASRockの原口氏)がいらっしゃるのでお聞きしたいのですが、AI PRO R9700をゲーミングとして使うことは可能なのでしょうか?
佐藤氏:AI PRO R9700の中身はほぼ「Radeon RX 9070 XT」(以下、RX 9070 XT)なので、ゲーミング用途でも高い性能を発揮します。AMDはAI推論にフォーカスしていますが、クリエーター向けのアプリケーションでも高性能が期待できます。現在、セガさんでAI PRO R9700を検証してもらっているのですが、結構いい感触をいただいています。
原口氏:AI PRO R9700のシリコンはRX 9070 XTと同じなんですが、ビデオメモリー容量が32GBとRX 9070 XTの倍になっています。ゲーミング用途で32GBのすべてを使い切る場面はほとんどありませんが、レンダリングやビデオエンコードといった用途ではこの大容量が活きてきます。
――実際にZEFT RTH61Sを使ってみていかがですか?
中條氏:ZEFT RTH61Sはラジエーターも含めると、全部で9基のファンを搭載しており、強力なエアフローを確立しています。CPUに負荷をかけ続けても、Threadripper PRO 9995WXの温度は60度前後で安定していました。消費電力はシステム全体で900Wを超えてしまいましたが……。動作音に関しては、自宅で使用するのであれば、少々うるさいかなというのが率直なところです。会社など職場に置く場合は環境音でかき消えるのかなと思います。
――メモリーは64GBモジュールのお取り扱いがはじまったのですね。
中嶋氏:以前は32GBモジュール8枚で256GBとさせていただいてましたが、実際にもっとメモリー容量を望むお客様からの問い合わせをいただいていましたので、64GBモジュールの取り扱いをはじめました。ですので、現在はZEFT RTH61Sでは最大512GB(64GB×8)もお選びいただけます。
――予算を気にしない状況だとして、個人的にThreadripper搭載PCは欲しいですか?
中嶋氏:ゲームでのパフォーマンスが高さが思っていた以上で驚きました。原口さんのおっしゃったプロゲーマーの方が使用されている話は興味深いです。ゲームしながらなにかをするPCというより、負荷の高い作業をするついでにゲームができる究極のPCで、欲しくなります。
真重氏:価格を考えなければ欲しいですね。自分がもし購入できたら、このマシンでこれだけのコア数があれば、どれだけのことができるのか、なにができないのかを試しはじめると思います。例えば、生成AIをローカルで実行したり、動画を編集してみたり、レンダリングしてみたりと、いろいろなことを試して性能の高さを実感したいですね。ZEFT RTH61Sは、そういったワクワク感を思い出させてくれるPCではないでしょうか。
中條氏:Threadripperは夢ですね。ビデオカードをいっぱい装着して、ゲームをいっぱい起動したいです。キーボードを5個ぐらい用意して5面のディスプレー全部でFPSをプレイするとかおもしろそうです。
――ありがとうございました。
ZEFT RTH61Sの直販価格は、標準構成でも税込みで459万7780円。さすがに個人では手が届くものではないものの、CG制作などを請け負う会社などの社用ワークステーションなら、有力な選択肢ではないだろうか。また、パソコンショップSEVENといえば、よく大幅な値引きになるセールも行っているので、その際に購入すればだいぶお買い得な買い物になるはずだ。
ZEFT RTH61SをBTOからダウングレードして、個人購入を検討してみるのもおもしろいかもしれない。メモリーを64GB×2、ビデオカードをGeForce RTX 3050にすると40万円近く安くなる。さすればいくぶん現実的な価格に……なりはしないほど高価だが、まずは下記のリンクからチェックしてみてほしい。





