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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第135回

実在感が恐ろしいレベル 画像生成AIの常識をひっくり返した「Nano Banana Pro」

2025年12月08日 07時00分更新

文● 新清士

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三面図+表情差分も作れる

 そもそも、Nano Banana Proは画像参照能力が極めて高く、人物やキャラクターの三面図や表情差分の作成が劇的に簡単になっています。この連載に登場するAIモデル「明日来子さん」の三面図と表情差分を作成してみることにします。画像は、アップの顔3枚と服装のみの画像1枚を入力画像として用い、プロンプトは次のもので生成しています。成功のコツは年齢と身長を入れて指定しておくことです。

「三面図と表情差分を作成してください。画像1と画像2の顔、服装は画像3で。背景は白。20歳、身長は170センチ、ハーフの顔。実写・写真風で」

 これにより、三面図と表情差分が作成されます。「実写・写真風」の部分を「イラスト風」にするだけで、イラスト風の出力にもなります。そして、一度、三面図情報を作成してしまえば、多様な出力が可能になります。

Nano Banana Proで作成した明日来子さんの三面図と表情差分

 作例では、この作成した明日来子さんの三面図を利用して、3種類のシチュエーションが違ったプロンプトを指定しています。その実在感は恐ろしいほどです。また、右は座標情報を調べてプロンプトとして指定すると、その周辺らしい風景が生成される性質を利用しています。いろいろ間違っていますが、秋葉原のラジオ会館前の雰囲気は確かに出ています。

左・「画像1を参考に、喫茶店でソファーに座り、コーヒーをマグカップで飲んでいる様子に」

中央・「画像1を参考に、リビングで白いフカフカの毛の猫を抱きしめている様子。ニッコリと笑っている。上半身アップ。カメラは上から。」

右・「画像1を参考に、経度緯度 35.698633, 139.771278 のラジオ会館前に立たせてください。ポーズをしているように。」

三面図と表情差分を入力情報として作成した喫茶店(左)、白猫と一緒(中央)、ラジオ会館前(右)

 一度作成した基本三面図は服装を変えたバリエーションを作り出すことも簡単です。下記の3つの作例は、基本三面図と服装を参照させて作成したものです。プロンプトはシンプルなものです。「画像1の人物を、画像2の服装にした三面図と表情差分を作成してください。実写・写真で。身長170センチ、20歳。」

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