量子チップ「Nighthawk」と「Loon」により次のステージへ
誤り耐性実用化に向けたIBM量子コンピューティングの現在地 量子優位性の達成は間もなく
2025年12月05日 12時00分更新
実験的プロセッサ「Loon」 誤り訂正実用化に向け着々と
最後に2029年を目標とする、フォールト・トレラント量子コンピューターの提供に向けた取り組みだ。
現在、ニューヨーク州ポキプシーの研究拠点において、フォールト・トレラント量子コンピューターの実装計画が始まっている。2029年に控える大規模な量子コンピューター「Starling」は200論理量子ビット、2030年以降に登場する「Blue Jay」は2000論理量子ビットで構築される計画だ。
これらの次世代量子コンピューターのための実験的プロセッサが「Loon」である。112物理量子ビットとなり、接続性を高める「cカプラー」という新技術を用いている。これは、2量子ビットの操作において、同一チップ上の離れた量子ビット間で長距離接続する技術で、より複雑な処理が可能になる。
IBM Quantum Loon (IBMのブログより)
その複雑な処理のひとつが誤り訂正であり、「複雑な接続コネクティビティを利用することで、誤り訂正を効率的に行うためのアーキテクチャー」(堀井氏)だとした。
Loonに搭載されたcカプラーの技術(IBMのブログより)








