Starlinkを活用する仕組み
新システムでは、登山や雪山に出かける人はあらかじめアプリをスマートフォンにインストールしておく。アプリは3秒に1回程度、Wi-Fiの電波を探しに行く仕様となっている。万が一、遭難したい際、上空にドローンが飛んできた際、ドローンから発せられるWi-Fiにスマートフォンが接続しに行き、GPSの位置情報を送ることで、自分の位置を知らせることができる、というわけだ。
当然のことながら、雪山などの場合、携帯電話は「圏外」である可能性が極めて高い。そこで、ドローンに向けて地上から、StarlinkにつながっているWi-Fiの電波を飛ばす。そうすることで、ドローンはインターネットにつながり、別の場所にいる人が、遭難者の位置情報を確認することができるようになるというわけだ。
セルラーの電波を使って通信をしていたことは、キャリアの無線設備が必要ということで相当コストがかかっていた。しかし、新システムではドローンに搭載するWi-Fi機器は市販の安価なものが採用されているという。
また、衛星につなぐ機器も、昔は静止衛星向けの大きな機材が必要であったが、いまでは低軌道衛星であるStarlinkを利用できるため、コンパクトで、システム構築の時間も大幅に短縮されたという。
万が一故障した際も、「ルーターは一般的な機器であるため、修理ではなく交換すれば良い」(東京科学大学の藤井輝也氏)という。
システム全体が簡素化されたことで藤井氏は「ドローンの操縦者、ひとりで運用しようと思えばできる」と語るほどだ。

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