G-Master Hydro Extreme Z890iをレビュー
これが100万円超PCの性能だ!水冷RTX 5090を搭載するデュアル水冷ゲーミングPCを検証
2025年11月30日 10時00分更新
CPUはPL1=159W設定で性能と電力効率を最適化
G-Master Hydro Extreme Z890iのCPUは「Core Ultra 9 285K」。8基のPコアと16基のEコアで24コア/24スレッドのハイエンドモデルだ。デフォルトの電力制限(Power Limit)は、長時間高負荷がかかる場合の「プロセッサーのベースパワー」(PL1)が125W、短時間高負荷がかかる場合の「最大ターボパワー」(PL2)が250Wとなる。
ただし、この値はPCメーカーによるカスタマイズが認められており、より冷却性能が高いCPUクーラーを搭載し、温度的にも余裕がある場合は、さらに高い値に設定することも可能だ。試用機は360mmラジエーターの水冷クーラーを搭載しているだけに、かなり高い値に設定されているのかと思いきや、PL1=159W、PL2=250Wと、PL1が少し盛ってあるだけだった。
この設定で性能と温度はどうなるのか、「CINEBENCH 2024」で確かめてみよう。このベンチマークソフトは、CGレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるもの。結果は「pts」という単位の独自スコアーで表示し、その数値が高ければ高いほど高性能となる。
テストは全コア/スレッドを使用する「Multi Core」と、1つだけ使用する「Single Core」の2つ。実行時間は標準となる10分間とした。Multi Coreテスト時は相当な負荷がかかるので、CPUの温度チェックにはうっつけだ。ということで、早速結果を見てみよう。
Multi Coreが2235ptsで、Single Coreが144pts。よくあるCPUレビュー記事のスコアーと比べると、Single Coreのスコアーは妥当だが、Multi Coreのスコアーは5%前後低くなっていた。これはPL1の設定が159Wになっていることが影響していそうだ。
PL1のデフォルトは125Wだが、CPUレビュー記事では性能を高くするため、上限が引き上げられている。PL2と同じ250Wとなっている場合も多く、こういった設定の差が出たと見ていいだろう。
ではなぜ、360mmラジエーターの大型水冷クーラーを採用しているにもかかわらず、PL1を159Wにとどめているのだろうか。もしかすると冷却性能が低いのではないかと思い、モニタリングツール「HWiNFO64 Pro」を使ってCPU温度を監視してみた。すると、Multi Coreテスト中の最大温度は75度。平均では70度を切っており、余裕がある状態だった。
温度的に問題なければ、あとは電力効率への配慮だ。PL1を250Wに設定した場合、CPU Package Powerのピークである約191Wがずっと続く。159Wからすると約32Wの上昇となるので、約20%ぶん電力消費量が上がることになるだろう。
それでいて性能は5%前後しか上がらないのだから、電力効率が非常に悪い。というわけで、PL1=159WはCPU温度に余裕を持たせたうえで電力効率が高くなるという、かなり絶妙な設定といえる。サイコム
の強いこだわりを垣間見た気がした。
3DMarkのSpeed Wayで1.5万スコアー近い大記録
続いて、ゲームで重要となる3Dグラフィックス性能を、定番ベンチマークソフト「3DMark」で検証する。3DMarkには多くのテストがあるが、最も重たいテストの「Speed Way」の結果からみていこう。
なお、このテストはDirectX 12 Ultimateに対応し、リアルタイムのレイトレーシングやグローバルイルミネーションなどを使用したリッチな描画を行なう。最新ゲームを画質重視でプレイしたい場合に参考となるテストだ。
スコアーは14626と、たいがいのゲーミングPCではまず到達できない値に。参考までに手元のデータを見てみると、GeForce RTX 5080+Ryzen 7 9800X3Dの組み合わせで、ようやく9070スコアーだ。そのさらに1.5倍以上となるだけに、どれだけ高い性能かわかるだろう。
ほかのテスト結果も下記にまとめておいたので、自分のPCとの性能比較などで役立ててほしい。
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