G-Master Hydro Extreme Z890iをレビュー

サイコムがGeForce RTX 5090を独自に水冷化！デュアル水冷ゲーミングPCの最高峰がついに登場

CPUもビデオカードも360mmラジエーターで冷やす！

　G-Master Hydro Extreme Z890iは、360mmラジエーターの水冷クーラーもデュアルで備えるモデル。ラジエーターファンには静音性と冷却力のバランスに定評があるNoctua製だ。

CPUもビデオカードも360mmの巨大ラジエーターで冷却

　ビデオカード部にはファンが一切なく、アルミプレートで覆われている点がユニークだ。まるでアルミの箱に収められているかのような外見で、隙間から光が漏れ出すデザインに目をひかれる。

飾りけのないシンプルな外見だが、内側が光るという斬新なデザイン

　ビデオカードのラジエーターは前面に配置。これがPC内への吸気ファンも兼ねている。せっかくラジエーターに移動した熱を、再びPCケース内に戻す向きに関しては賛否あると思うが、少なくとも冷たい外気を使ってビデオカードを冷却できるという点では優れている配置だ。

ビデオカードのラジエーターファンは前面吸気

　CPUの水冷クーラーはどうなっているかというと、ラジエーターは天面配置でファンの向きは排気。つまり、CPUの熱はラジエーターに移動し、直接PC外に排出できるレイアウトだった。

CPUの発熱は天面のラジエーターからPC外に排出される

　PC内温度が上がると冷却効率が下がってしまう。そのため、ビデオカードの負荷が高くなると、CPUクーラーの冷却性能は多少下がってしまうだろう。しかし、ゲームではビデオカードの負荷が高くてもCPU負荷はそこまで高くならないし、動画編集なら、CPU負荷は高くてもビデオカードの負荷は高くなりにくい。

　つまり、CPUとビデオカードのどちらにも高負荷が長時間かかる用途は限られているため、多くのシーンで冷却不足になる可能性は低いといえる。そもそも、360mmという巨大なラジエーターを搭載しているのだ。冷却性能に関して、不安がる必要はないだろう。

　とはいえ、CPU負荷が低い場合は天面のラジエーターファンが低回転になり、排気性能が下がってしまう。これを補うためか、背面には排気用のPCケースファンを搭載していた。

背面のPCケースファン。水冷システムだけに頼らないという、抜かりのないエアフロー思想が感じ取れる