
「本日のおすすめ」機能によるマッチ率が向上
さまざまなサービスが、AIを当然のように活用している。検索結果の最適化からカスタマーサポート、画像補正や文章生成に至るまで、もはやAIが関わっていない機能を探すほうが難しいと言っても大げさではないかもしれない。
恋活・婚活マッチングサービス「Pairs」を運営するエウレカは、2024年10月から段階的に導入していた推薦AI機能を、1年の運用を通じて成果を公表。
同社によれば、「本日のおすすめ」機能に表示された相手に「いいね」を送信してマッチする確率(マッチ率)は、旧AIを利用していた2024年9月時点と比較して、男性でおよそ2.4倍、女性でもおよそ1.5倍に向上したという。


同社は、この改善について「2024年11月から2025年10月にかけて、Deep Learningを中核とする推薦AIを1年間にわたり長期運用し、旧システムを大きく上回るマッチ率を維持し続けている」と説明している。
マッチングアプリの課題、「相互推薦」とは
ペアーズは2018年に、推薦AIとして古典的な手法である「協調フィルタリング」をベースにしたシステムを導入している。
しかし、同社によれば、AIによる推薦機能において、マッチングアプリ特有の課題として同社は「相互推薦」の必要性があるという。
つまり、ユーザーAがユーザーBを好む可能性と、ユーザーBがユーザーAを好む可能性という、双方向の好み・行動の一致を捉えることが重要となる。

従来の協調フィルタリング方式では、こうした相互関係や複雑な行動文脈を十分に捉えられず限界があった。
同社が2024年10月に導入したDeep Learningを中核とする推薦アーキテクチャは、大量のデータから特徴を自動的に抽出し、「いいね」「マッチ」といったアプリ内行動の多様なシグナルを学習。相互の好みが一致する確率をより精緻に推定できるようになったという。
令和世代にはAIでの候補表示が向いている?
なお、同社が7月に実施した「“恋愛可処分時間”3世代一斉調査」によると、令和世代(20代)では恋愛相手を探す行動に関する質問に「何もしていない」と回答した割合が12.2%と、出会いの場に対して能動的に活動している実態が示された。
一方で、日常の優先行動として「恋愛」を挙げる割合は昭和・平成世代に比べて低く、恋愛のみを優先できない令和世代の実情も浮き彫りになったという。
同社はこの調査結果を踏まえ、「本日のおすすめ」機能により、「従来より高いマッチ率を実現するペアーズのAIが、忙しい令和の若者に対し、アプリを開くだけのワンステップで効率的に最適なお相手候補を推薦します」とアピールしている。








