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OpenAI「日本はチャンス」開発者に250ドル大盤振る舞いのワケ

2025年11月17日 07時00分更新

文● サクラダ 編集●飯島恵里子/ASCII

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デモセッションでの新機能「AgentKit」「Codex」などを徹底解説

 イベントでは、開発者の新機能として主に3つのデモが行われました。1つ目は、AIエージェントを簡単に開発するためのキット「AgentKit」だ。これは、ノーコードツールでAIエージェントを構築できる「Agent Builder」と、それをChatKitで簡単にWebサービスに統合できるもので総合デモ。 Cain氏(テクニカルプログラムマネージャー)は、エージェントの構築から評価(Evals)までを先に実施する開発ループを紹介しました。

Ryan Cain氏(テクニカルプログラムマネージャー)はツールキット「AgentKit」を紹介

 2つ目は「Apps in ChatGPT」だ。これは、ChatGPTの会話インターフェース内にサードパーティ製のアプリUIをあらかじめ組み込む機能だ。新たに提供されるApps SDKとMCP(Multi-Companion Protocol)ベースにより、インタラクティブなUIを実現する。デモを担当した國田有華子氏(ソリューションアーキテクト)は、開発者モードでプロトタイプ検証が可能であるとし、自然な会話の流れの中で「温泉コンシェルジュ」という外部アプリが起動し、ビジュアルなUIで旅館を検索・絞り込む様子を示しました。

國田有華子氏(ソリューションアーキテクト)が「温泉コンシェルジュ」を実演

 3つ目は、AIシードツール「Codex」だ。DevDayにて正式リリース(GA)となった。(CLI/IDE)とクラウドタスクの先取りな連携が特徴で、ChatGPTアカウントで利用できる。デモを担当した石田修平氏(ソリューションアー)キテクト)は、GitHubと連携したPR(プルリクエスト)の自動レビュー機能などを紹介しました。また、「Codexに関する問題を解決したい」とし、「GitHub連携は必須ではなくなった」「ローカルとリモートはとりあえず連携可能」といったTIPSを解説しました。

デモを担当した石田修平氏(ソリューションアーキテクト)は「Codexに関する魅力を解きたい」とTIPSを解説

 さらに、APIに関してもアップデートが紹介されました。 最新の最高峰モデルである「gpt-5-pro」がAPIから利用可能になったほか、通話音声会話モデルの低コスト版「gpt-realtime-mini」、画像生成モデルの低コスト版「gpt-image-1-mini」がリリースされています。 sora-2-pro)もAPI経由での利用が解放され、動画の生成から管理までAPIで操作可能となりました。

OpenAIは日本市場と開発者に期待!
250ドル分のAPIクレジット提供にどよめき

 クロージングに挑戦した中野武重氏(アカウントディレクター)は、OpenAIが日本市場のポテンシャルを高く評価していると強調。日本は次に世界発表の海外法人設立国であり、ChatGPT for Businessのユーザー数は世界2位だという。同氏は「日本には高齢化社会への対応や多言語対応など、世界がまだまだない課題がある。これは世界に先駆けて新しいソリューションを作るチャンスだ」と語り、日本の開発者への期待を示した。

「世界に先駆けて新しいソリューションを作るチャンス」と話した中野武重氏(アカウントディレクター)

 本イベントではLegalOn Technologies、Recursive、Habittoの3社がデモブースを出展。最後に、参加者全員にOpenAIのAPIクレジット250ドル(約3万8500円)分を提供することが発表され、会場は大きく盛り上がった。

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