実装されたばかりのアーマーキングが大暴れ! 今年最後の『鉄拳8』DOJO大会 第3回「BIG BANG FIST」開催

文●MOVIEW 清水 編集● ASCII

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 世界累計販売本数6000万本以上の人気となっている対戦格闘ゲーム『鉄拳』シリーズは多くの国際大会が開かれ、eスポーツを牽引するタイトルの一つとなっている。今回、その最新作である『鉄拳8』を使用した第3回「BIG BANG FIST」が開催された。

 BIG BANG FISTはJCGが主催するDOJO大会で、世界大会ファイナル出場に必要なポイントが得られる残り少ない機会ということもあり、朝10時に始まった予選から会場は熱い空気に包まれていた。

会場の様子

 今年3回目の開催となったBIG BANG FISTだが、2025年はこれが最後の大会。出場者はプロ・アマ問わず最大128名だが、都合により当日来場できない選手が出て110名が参加した。

 予選へのエントリーは先着順で受け付けられ、128名の枠が埋まった後にキャンセルが出てもほぼ瞬殺で埋まり、まさに熱量を持って出場したいという選手が集まったといえる。

戦いの様子を真剣に見つめる観客たち

 会場となったのは東京駅からほど近いTODA HALL & CONFERENCE TOKYO Bホール。2024年11月にオープンしたばかりの地上28階のビルで、真新しいエントランスから会場へアプローチするまではeスポーツ大会を開催しているとは思えない雰囲気が漂っていたが、いざ会場に入ると熱いバトルが繰り広げられていた。

自己紹介を書いて親睦を深めるためのカード

応援ボードも用意され、推し選手の応援に使える

会場で選手たちを応援する観客。応援ボードはカラフルで選手への思いが伝わってくる

予選で使用した機材を一部残し、段位無制限のフリー対戦台も用意された

 今回の大会は予選大会の後、配信の始まるTOP16から特設ステージでの対戦となり、白熱したバトルをスクリーンで楽しめる。

 試合の様子は実況・解説が行われ、刻一刻と情勢の変わる戦いの様子を的確に伝えてくれる。対戦格闘ゲームの大会ではゲームのキーとなるポイントやキャラクター名とその特徴、技の名前、さらには試合展開や流れなどを見ながらの盛り上げなど、実況・解説が果たすべき役割は多い。

大会を盛り上げる実況・解説

 さらにBIG BANG FISTのように試合を応援・観戦する人をオープンに受け入れる大会では、そのゲームを知らない観客の来場もある。

 第1回、第2回では10人、20人という単位であったが、今回は40人を超える観客が訪れていた。スポーツは競技者だけでなく、観客の動員数が増えることでまた雰囲気や盛り上がり方が違ってくる。

 ただし、ゲームのことをあまりよく知らない人が増えたとき、実況・解説でそちらをカバーするとコアなファンには物足りなくなる可能性もあり、そのバランスは難しいところ。

 たとえばゲーム内容、それからゲーム画面に何が表示されているのかがわかるような案内が会場内にあるといいかもと感じた。鉄拳8でいえばゲーム画面にあるゲージや数字、●と○のマークが何を意味しているのかを解説する表示があるだけで基本的なことがわかり、知らない人でもすぐ入り込めるかも知れない。

ゲームをプレーしたことのある人なら一目瞭然の各種表示を、初めて見に来た人にわかりやすく伝えていくことも、これからのeスポーツ大会では重要になるだろう

 さて、大会に話を戻そう。大会もTOP8になると激しい戦いとなってくる。劣勢と思われていた選手が一瞬の隙をついてコンボ連発で大逆転といったケースもあり、ここまでで敗退した選手や出場する選手を応援する人たちのボルテージも高まってくる。決勝が近づくにつれ、その緊張感は最高潮に達していた。

決勝が近づくにつれ、選手たちの集中力はさらに高くなっているように感じる

一進一退の攻防を繰り広げたHaru選手とRangchu選手の対戦

Haru選手とNOBI選手によるLOSERS FINAL

 今回ファイナリストに勝ち上がったのはRangchu選手とNOBI選手。どちらもお子さんの写真を掲げて決勝戦に臨む、お父さん対決となった。

お子さんに勝利を誓い、決勝に臨むRangchu選手とNOBI選手

決勝戦ということもあり、応援もさらにヒートアップ

選手たちの背中も気迫でみなぎっている

 白熱した決勝は、最終的に10月14日に実装されたばかりの新キャラクター・アーマーキングを使ってきたRangchu選手が優勝した。

最終ラウンドはRangchu選手が3タテで決着

 アーマーキングについて尋ねられたRangchu選手は「ちょっと試してみようかなと思ったら、思った以上に刺さって、それで優勝できました」と、キャラクターとの相性の良さを語っている。

つい先日実装されたばかりのアーマーキングの破壊力

 表彰式には優勝したRangchu選手、2位のNOBI選手、3位のHaru選手が登壇し、それぞれメダルを授与された。

左から準優勝・NOBI選手、優勝・Rangchu選手、3位・Haru選手

 Rangchu選手は「前回2本取った後、逆3タテされて負けて悔しい思いをしたので必ず優勝しようと臨んだので、優勝できてうれしいです。次回は韓国のマスター大会に出場するので視聴していただけるとうれしいです。応援よろしくお願いします」とコメントした。

前回の雪辱を果たし、見事優勝したRangchu選手

 大会終了後、JCGの木成諒プロデューサーに大会を総括するお話を伺った。

——3回目のBIG BANG FISTを総括していかがでしたか?

木成氏:今回エントリー数、視聴数、来場者数と、さまざまな数字が伸びています。スタッフががんばってくれたのはもちろんですが、参加者がSNSなどでよかったと書いてくれて、相乗効果となっていると感じています。

——ファンの方にメッセージをいただけますでしょうか

木成氏:第1回から第3回まで開催して、鉄拳コミュニティ、BIG BANG FIST、JCGをアピールできました。来年以降も継続して開催ということ目指しながら、現在のDOJO大会を、来年度はもう一つ上のチャレンジャー大会、ゆくゆくは日本でまだ開催のないマスター大会を目指します。鉄拳コミュニティの皆さんとともに、さらなる高みを目指していきます。

来年もBIG BANG FISTを開催し、さらに大きな大会にしていきたいという木成プロデューサー

 来年も続けて開催したいという木成氏からは、この「BIG BANG FIST」をさらに大きくしていきたいという意気込みがひしひしと伝わってきた。

 もちろんDOJO大会からチャレンジャー大会にするには出場者を増やす必要があり、それに伴ってもっと大きな開催場所を用意したり、協賛社の数も増やさなければならないだろう。アマチュアからプロまで、鉄拳好きの輪がさらに広がって、日本発の鉄拳を日本から世界にさらに広めていける、そんな大会に成長していくことを願っている。

 なお、今回の第3回BIG BANG FISTはアーカイブ配信されているので、興味を持った方はぜひご覧いただきたい。

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