新清士の「メタバース・プレゼンス」 第130回
グーグルNano Banana級に便利 無料で使える画像生成AI「Qwen-Image-Edit-2509」の実力
2025年11月03日 07時00分更新
機能はNano Banana並み。一方、使用環境がやや複雑に
Qwen-Image-Edit-2509は、実際に使ってみると、Nano BananaとかSeedream 4と、機能面での遜色はあまりない印象です。画質としてはSeedream 4に比べるとやや劣るかなというくらいの印象ですが、これがローカルPCで動くのは、とても便利です。
一方で、最近感じるのは、ローカルPC向け環境としてデファクトを取りつつあるComfyUIの複雑化が止まらないことです。ツールとしては初心者にとってとっつきにくいと感じます。テンプレートを利用している限りは、それほど難しくないのですが、少し複雑なことをしようとした瞬間にどのように動かせばいいのかがわからなくなります。
Qwen-Image-Edit-2509に限りませんが、量子化(軽量化)モデルを始めとする様々なモデルが登場し、あるワークフローでは動いていた環境が少し条件を変えると動かなくなるといった問題が、よく起きるようになってきました。ComfyUI自体の追加ノードも、互換性の問題などでトラブルが起きて、そのままインストールしても動かないという事態も頻繁に直面するようになりました。
また、ユーザー作成のワークフローやLoRAも「ここから先はPatreonでの有償で」という場面が増えており、肝心なところは10ドル、もしくは数十ドルの支払いが必要になるケースが増加しているようにも思います。Qwen-Image-Edit-2509関連のユーザー作成のワークフローも多数リリースされていますが、有償のものが増えている印象です。
ワークフローやLoRAの開発には時間も費用もかかるため、有償も理解はできるのですが、動作の保証がないというのが、何よりも悩ましいところです。いざ購入してみても、原因がわからない環境のトラブルで動かなかったということも経験しました。ComfyUIの複雑さが安定的なサービスを展開しにくくしているようにも思えます。
クラウドサービスは、その複雑さをシンプルなUIを提供する形で吸収しているため、一定のコストを払っても安定性を選ぼうという流れが強くなるのも当然かなとも思います。
ComfyUIはこのところ、API機能の強化や、テンプレートの整備に積極的です。いずれは、ユーザーの提供するワークフローなども販売できるような仕組みを整えてくるのではないかとも推測されます。
ローカルPCで使えるモデルは、自分のデータが外部のサーバに送られないので、データが流出することがないという重要なメリットがあります。そのため、特に、企業用途では、オープンモデルに潜在的な強いニーズが依然としてあります。手軽さには課題はあるものの、一貫性保持という点で、Qwen-Image-Edit-2509は強力な性能を持つため、今後もしばらく支持される状況は続いていくでしょう。

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