日本中心にバズったSora 2
また、興味深いのが、Sora2は日本では大きく話題を集めましたが、全世界的にみるとそうでもないということです。Googleトレンドで調べてみたところ、日本ではSora 2(青線)は高い注目を集めましたが、アメリカや全世界で同じ条件で調べると、ほとんど関心を集めていないようです。この違いは、社会的な関心をどれだけ集めたかの違いが出ていると考えられます。サービス開始直後は、日本の有名IPをそのまま出せる状態だったために、関心が高まったことが要因ではないかと思われます。
ディズニーなどアメリカの大手企業のIPはサービス開始直後から出ないように設定されていたことが複数の報道で明らかになっています。 その一方で、日本のアニメ系IPは初期の露出が目立ったことを踏まえると、事後オプトアウトを既定路線として日本市場の話題化を狙った、挑発的なデモンストレーションだったと受け止められても不思議ではないと言えます。
様々な領域に激震 AIめぐる議論活発に
いずれにしても、Sora 2の登場によって、AIの関係者だけでなく、映像業界など様々な領域に激震が走ったことは言うまでもありません。
まず、あまりにも強引とも感じられるOpenAIの展開の仕方に対して、日本国内でもかなりの反発が出ました。本当に制限が守られているのかは課題が多く、また、収益を共有する仕組みが登場したとしても、それに多くの企業が参加するかどうかは現時点では未知数です。どこまでAI企業に許されるのかという法的な議論があらためて活発化するきっかけとなるでしょう。
技術の観点では、Sora2の持つ潜在的な能力を多くの人が理解することになりました。内部的には、もっと長時間の動画を作れる環境の開発をしていると予想できますし、また統合的な動画編集ツールのような環境も作っていると考えてもいいでしょう。こうしたものがいずれ発表されることは予想できるため、今後も性能や機能が上がるにつれて影響は大きくなるはずです。
そして、他社も同じような機能を実現しようと急激にキャッチアップを進めるはずです。今後、テーマの適切な理解、様々なカットでの人物などの一貫性、より高品質な音楽や声の同時出力といったものが、どの動画サービスでも当たり前になってくることは時間の問題と言えます。

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