Sora 2もまだ苦手分野は残っている
とはいえ、Sora 2は、なんでもできる完璧な動画AIというわけではありません。様々な条件を試すと、できない限界も見えてきます。
例えば、「黒船と侍」といったテーマで作成したところ、色々間違っている動画が出てきました。黒船のサイズが小さく感じられるうえ、侍の刀が明らかにおかしな抜き方になっています。AIは人物と物体との関係性を正しく描くのが苦手な傾向がありますが、まだ完全に自然に描くことはできないようです。
もう一つの動画は、昔の新橋をテーマにした動画ですが、日本語の看板の漢字はまだまだ不正確な部分があることは言うまでもなく、特に「JR新橋駅」と表示するあたりも、色々と間違っています。
プロンプトは「ペリー来航時に海岸で黒船を見つめている侍たち。恐怖と好奇心と攻撃しようという意思で固っている」
プロンプトは「1960年代の新橋の風景」
ただ、とはいえ、これまでの動画生成AIの常識を大きく変えるほどの品質が出力されていることは間違いなく、将来的なCMの作り方が大きく変わる可能性を秘めています。
フェイク対策は「カメオ」「ウォーターマーク」
Sora 2で特徴的なのが、画像から動画を生成する際、人物の写真を指定するのは原則的にNGに設定されていることです。
t2v(テキストからビデオに)の場合は、実写映像を出すことには、センシティブなものでなければ制限はありませんが、i2v(画像からビデオに)の場合は、実物の人物が写っている場合には、生成が拒絶されます。人物入りの動画を生成したい場合は、Soraアプリの「カメオ」機能を通じて本人確認が済んだ人物を登録する必要があります。
当初、カメオに登録されている人物は少なかったため、OpenAIのサム・アルトマンCEOが登場するAI動画が大量に投稿されました。GPUを万引きするサム・アルトマンCEOの動画などがXで閲覧数を稼いでいます。
フェイク対策として、Soraで生成した動画にはウォーターマークが入るようになっています。ただし、7日から、各種動画サービスを通じての有料APIの提供が始まりました。その動画に対してウォーターマークは付与されません。また、簡単にウォーターマークを除去できる無料ツールも、Soraの公開わずか数日で出回り始めている状況です。

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