衝動買いの発端はtemuでのこと
中華ECサイトのtemuで「240W対応!」と大きく書かれた、それなりの価格のUSBケーブルを衝動買いしてしまった。
しかし冷静に考えると、自宅やオフィス、モバイル環境で240Wを必要とするシーンなどほとんどない。スマホは20W前後、モバイルPCでも100Wあれば十分である。では、この240Wという数字は本当に意味があるのか。そしてそれをどうやって確認すればよいのだろうか。
E-Markerチップの存在
USBケーブルのコネクタ内部には「E-Marker」と呼ばれる小さなチップが仕込まれている場合がある。これは「自分は240W(50V/5A)まで対応可能」「いや100Wまで」といった能力を自己申告するもので、いわばケーブルの戸籍とも言える。
ただし怪しいケーブルの中には、このE-Markerチップが存在しない、あるいは数字を変えて虚偽の申告をしている製品もある。したがって「240W対応」と書かれていても、実際にその能力を持つかどうかは読み出してみないと誰もわからないのが現実だ。
このコラムではひとまずE-Markerに書き込まれている数値は正しいと言う前提で進めたい。今回は国内外で入手可能な怪しい中華製からブランドケーブルまで5本のケーブルを使ってみた。
実際に5本のケーブルをテストしてみた
超文系のくせに変態趣味だけはあるので、今回筆者は実際にAmazonで売られている「TREEDIX」というテスターを衝動購入し、暇に飽かして5本のケーブルを何度か比較テストしてみた。結果は以下のとおりである。
結果からは、240Wと記載されていても実際には60Wしか出せないケーブルが存在することがわかった。まさに“数字マジック”であり、ユーザーが誤解しやすい部分である。
もし本当に240Wを出してテストするなら
ちなみに余談だが、もし「240Wを本当に出してストレス検証をしたい!」という場合は、世界にも数少ない信頼できる高値の240W対応のACアダプタ・テスト対象となるUSBケーブル・負荷装置(デコイ)の3点セットが必要となる。もちろんこれらを揃えるだけでそれなりの予算がかかる。
しかし実際に240Wを常用する環境は令和7年現在ほとんど存在していない。なので現実的には「実際に240Wを流す」こと自体がジョークに近く、趣味の実験を超えるものではない。

この連載の記事
-
第855回
スマホ
Galaxy Z Fold7用「両面アラミド繊維ケース」をやっぱりの衝動買い -
第854回
トピックス
それでも現金を持たざるを得ない現況で、ジッパー付きセキュリティポーチ靴下を衝動買い -
第853回
トピックス
3COINSのクリアワイヤレスキーボードが1000円に値下がりしたのでまた衝動買い -
第852回
トピックス
価格は優秀、剃りは凡庸 USB充電可なシャオミ製電動シェーバーを衝動買い -
第851回
トピックス
出張も旅行もこれ一台! 「クリップ型USB Type-C充電器+タップ」を衝動買い -
第850回
トピックス
年初にAndroid搭載のカラーE Ink端末「Bigme B751c」を衝動買いして9ヵ月使ってみた -
第849回
トピックス
理論派が作った“変態ピック”を半世紀ベーシストが衝動買い -
第848回
トピックス
“ケーブル紛失ゼロ”の未来系SSDケースを衝動買い -
第847回
トピックス
北欧製の密閉縦型製氷皿“アイスブレーカー”を衝動買い -
第846回
トピックス
今も愛用のThink手帳に迫るブギーボード「BB-21」を衝動買い -
第845回
トピックス
レガシーなタフスマホ「TORQUE G04」を5980円で衝動買い - この連載の一覧へ






















