このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

T教授の「戦略的衝動買い」 第842回

temuで240W対応USBケーブルを衝動買い! 本当に240Wって出るのか? 測れるのか?

2025年09月07日 12時00分更新

文● T教授、撮影●T教授、編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
ケーブル

「240W対応」と書かれたUSBケーブルをtemuで衝動買い。本当にそれは240W対応なのかと気になって、衝動買いを続けてしまった

衝動買いの発端はtemuでのこと

 中華ECサイトのtemuで「240W対応!」と大きく書かれた、それなりの価格のUSBケーブルを衝動買いしてしまった。

 しかし冷静に考えると、自宅やオフィス、モバイル環境で240Wを必要とするシーンなどほとんどない。スマホは20W前後、モバイルPCでも100Wあれば十分である。では、この240Wという数字は本当に意味があるのか。そしてそれをどうやって確認すればよいのだろうか。

ケーブル
ケーブル
ケーブル

実際に届いた240Wケーブルは現在のW数の表示機能も持つ

E-Markerチップの存在

 USBケーブルのコネクタ内部には「E-Marker」と呼ばれる小さなチップが仕込まれている場合がある。これは「自分は240W(50V/5A)まで対応可能」「いや100Wまで」といった能力を自己申告するもので、いわばケーブルの戸籍とも言える。

 ただし怪しいケーブルの中には、このE-Markerチップが存在しない、あるいは数字を変えて虚偽の申告をしている製品もある。したがって「240W対応」と書かれていても、実際にその能力を持つかどうかは読み出してみないと誰もわからないのが現実だ。

 このコラムではひとまずE-Markerに書き込まれている数値は正しいと言う前提で進めたい。今回は国内外で入手可能な怪しい中華製からブランドケーブルまで5本のケーブルを使ってみた。

ケーブル

気づけば5本もそろっていた

実際に5本のケーブルをテストしてみた

 超文系のくせに変態趣味だけはあるので、今回筆者は実際にAmazonで売られている「TREEDIX」というテスターを衝動購入し、暇に飽かして5本のケーブルを何度か比較テストしてみた。結果は以下のとおりである。

ケーブル

Club3D CAC-1573(240W)

ケーブル

Anker(240W)

ケーブル

ダイソー(100W)

ケーブル

Amazon Basics(60W)

ケーブル

temuで購入した240Wケーブル。案の定というか詐称のようだ

 結果からは、240Wと記載されていても実際には60Wしか出せないケーブルが存在することがわかった。まさに“数字マジック”であり、ユーザーが誤解しやすい部分である。

ケーブル

もし本当に240Wを出してテストするなら

 ちなみに余談だが、もし「240Wを本当に出してストレス検証をしたい!」という場合は、世界にも数少ない信頼できる高値の240W対応のACアダプタ・テスト対象となるUSBケーブル・負荷装置(デコイ)の3点セットが必要となる。もちろんこれらを揃えるだけでそれなりの予算がかかる。

 しかし実際に240Wを常用する環境は令和7年現在ほとんど存在していない。なので現実的には「実際に240Wを流す」こと自体がジョークに近く、趣味の実験を超えるものではない。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII倶楽部

注目ニュース

  • 角川アスキー総合研究所

プレミアム実機レビュー

ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン