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旅の達人が伝える! スマートトラベラーへの道 第112回

長期旅行で洗濯どうしてる? 旅人のリアルな工夫まとめ

2025年09月03日 07時30分更新

文● 中山智 編集●こーのス/ASCII

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 長期出張や旅行での悩みのひとつにあげられるのが「洗濯」。滞在日数が長くなると、そのぶん持っていく衣類も増えてしまうので、滞在先で洗濯できれば荷物を減らせます。とはいえ手洗いだとしっかり脱水できないし、毎日宿が変わるような移動の旅だと、いつ洗濯していつ干すのか!? と言う問題も出てきます。

 そこで今回は、長期旅をすることが多い筆者が、旅先での洗濯を快適にするポイントを解説していきます。

●基本的には"速乾性"のある衣類+タオルを使う

 まず旅用の衣類は、基本的に速乾性素材を使ったモノを選びます。特に毎日履き替えるような肌着や靴下、Tシャツなどは、速乾性のものか、乾きやすい素材のものを選んでおけば、一晩で乾きます。

速乾性素材を使った衣類なら、乾きやすい

 その際にもうひとつ重要となってくるのが「タオル」の持参。泊まっている宿にタオルはあるので不要では……?、と思いがちですが、速乾性素材のタオルは、手洗いで洗濯した物から水分を吸収するアイテムとして持っていくんです。

●脱水のために「速乾タオル」を駆使

 旅先での手洗いでネックとなるのは、脱水です。手で絞るだけでは、洗濯機の脱水機能ほどは水切りができません。かといって強く絞りすぎると生地が痛んでしまいます。

 そこで旅先では、洗濯して絞った衣類をさらにバスタオルなどでくるんで水気を切る、といった方法がよく紹介されます。ただし、備え付けのバスタオルを使うとかなり水気を吸ってしまうので、シャツ1~2枚でバスタオルが吸水しきってしまい、それ以降は効果がなくなります。また入浴後に使ったバスタオルもやはり濡れているので、効果が激減。

宿にもバスタオルはあるけども、洗濯にも使うと足りないことも

 そんなときに吸水性の高い速乾性素材のタオルが1枚あれば、洗濯の脱水用に使えますし、この手の素材は絞るとすぐに吸水性が復活するので、洗濯物の量が多くても大丈夫。タオル自体も使い終わったあと干しておけばすぐに乾きます。柔らかく、持ち運びもラクです。

洗濯物を速乾タオルでくるくると巻いて絞ると、かなりの水気がとれる

 ちなみに速乾性素材のタオルには、大きくわけてPVAスポンジを使ったいわゆる「セームタオル」と、「マイクロファイバー系タオル」があります。吸水性に関してはセームタオルのほうが上ですが、完全に乾くと固くなってしまい、使用前に軽く濡らして状態を元に戻す必要があったり、固いままだと折れたり割れたりして、扱いに若干の手間がかかります。

 マイクロファイバーのタオルはセームタオルよりも吸水性は落ちますが、乾いても柔らかいまま。そのためパッキングのしやすさなども考えると、個人的にはマイクロファイバーを使ったタオルが気に入って使っています。

マイクロファイバー素材のバスタオルは旅の必需品

 というわけで、長旅には吸水性の高い速乾素材のタオルを1枚持っていくことをオススメします。

●海外の安宿選びは「洗濯機付き」かどうかで選ぶ

 ホテルなどの宿泊施設にはランドリーサービスもあるので、洗濯をお任せするのもひとつの方法ですが、物価の高い国だと料金はかなり高額になってしまいます。

 そこでオススメなのが、Airbnbなどの民泊サービスで、洗濯機や乾燥機が付いた部屋に泊まる方法。Airbnbの場合、絞り込みフィルターに「洗濯機」や「乾燥機」、「アイロン」の項目があるので、洗濯目的で部屋が選べます。

 部屋に洗濯機や乾燥機があれば、近隣住民の迷惑にならない時間帯で好きなときに洗濯可能。特に乾燥機があれば、乾くまでの時間も節約できるので便利。1週間くらいの旅なら、途中1泊か2泊は、洗濯機や乾燥機の付きの民泊にして洗濯デーにすれば、持っていく衣類を半減できます。

Airbnbは、洗濯機と乾燥機を設備の条件として指定して部屋を探せます

こちらはウクライナの民泊に備えてあった洗濯機

ドイツ・ベルリンの民泊で泊まった部屋には、乾燥機もありました

トルコ・イスタンブールでは、なんとキッチンに洗濯機が付いていました

 ちなみに洗濯用洗剤に関しては、部屋にストックされていないケースがあります。現地で購入すると、海外サイズの大きなボトルしかないため、とても使い切れません。洗濯洗剤は自前で用意しておいたほうが無難です。

 小分けになった旅行用の洗濯洗剤があるので、そちらがオススメ。柔軟剤も小分けになったタイプがAmazonで売っているので、必要な人はこちらも用意しておきましょう。

小分けになった洗剤を日本から持っていったほうがオトク。ドラム式のほうが汚れが再付着するのを防止する成分が入っているようだが、仕上がりには影響なし

●街中のランドリーサービスを利用する場合の注意点

 自分で洗濯なんてしたくないという人は、街中のランドリーサービスを使うというのも手です。ホテルよりも割安でお願いできる場合が多く、東南アジアでは1kgで数百円といった料金で洗濯から乾燥、場合によってはアイロンがけまでしてくれるクリーニング屋もあってオトク。ただし夕方以降に預けると、仕上がりは翌々日といった具合に1日以上かかるケースも多く、早く仕上げたい場合は追加料金がかかるので注意しましょう。

カンボジア・プノンペンのクリーニング屋

●一気に洗えるコインランドリーはGoogleマップで見つける

 また日本でも結構目にしますが、海外でもコインランドリーは一般的なサービスで、大きめの都市ならいくつか点在しています。どこにあるか調べる際には、Googleマップで「Laundry」と入力して検索すれば見つかります。

コインランドリーを探すときは、Googleマップで「Laundry」と検索

 ただしコインランドリーによって使用方法が違うパターンが多いです。大抵はショップ内に使い方が記載されているので、自分はGoogle翻訳などで確認して使用しています。また、国内外問わず現金のみというコインランドリーもまだまだ多く、洗剤も別途購入というケースがあるので、基本的には洗濯用洗剤を自前で用意して行ったほうが割安です。

アメリカのカリフォルニアで利用したコインランドリー。さすがアメリカ、店の規模が大きい!

イタリア・ミラノで利用したコインランドリー

使い方は記載されているものの、現地語や英語なので、Google翻訳を使って把握するといいでしょう

 ちなみに料金はだいたい乾燥まで約10キロ容量が800円から1000円くらいが相場……だったのですが、近年の円安で、欧州だと1500円くらい必要な場合も出てきました。洗濯物が少量の場合は、手洗いのほうがオトクですね。

ミラノのコインランドリーの価格。ユーロに対して特に円安なので、コインランドリーも少量だと利用するのは躊躇してしまう価格になりました

 以上、貴重な旅の時間を、洗濯に奪われないための必須ノウハウをご紹介しました! 旅先の洗濯は、物の選び方や宿の選択で結構ラクになります。せっかくの旅行を洗濯に時間を費やすのはもったいないので、自分に合った効率良い方法を選んで対応しましょう!

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この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

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