AIコンパニオンアプリ「Anichat」の技術使用か
Aniの3Dモデルには、2024年5月にリリースされたAIコンパニオンアプリ「Anichat」を開発していたAnimation Inc.の技術が使われていると推測されています。
3Dアバター技術はVR・XRブーム時代に複数登場していますが、AnichatはiOSに最適化して、反応の速いリアルタイムアニメーションを実現していることで、既存の類似アプリに比べても技術的に優位を生み出しており、登場直後から評価されていました。
2024年11月にサービス終了と発表されたものの、AppleのAppStoreでは執筆時点(7月現在)も配信中です。同社の設立日や資金調達状況などは非開示の上、公式アナウンスがされていないため、そのタイミングでxAIと何らかの技術提携が始まったと考えて良さそうです。
ローカルPCでAIコンパニオン扱える「AITuberKit」
ローカルPCでもAIコンパニオンを扱えるアプリが開発されています。ニケちゃんさんが開発している「AITuberKit」は汎用性が高く最も使いやすいものです。
このアプリではVRMフォーマットの3Dアバターモデルを使って、また、ChatGPTなどのAPIや「LMStudio」といったローカルLLMを組み合わせたり、さらに、「VOICEBOX」や「AivisSpeech」といったAIボイスアプリとを組み合わせることで、AIコンパニオンと手軽に音声対話をすることができます。元々は、YouTubeで他のユーザーとのやり取りするAITuberのキットとして開発されていますが、個人向けのAIコンパニオン環境としても十分に使えます。
AITuberKitの優れた点は、カスタマイズ性が高いところにあります。自分が設計したAIキャラクターのプロンプトも簡単に追加して反映させることができます。ただ、文脈に応じて表情は変えることは可能なのですが、Aniと比較すると、ボディランゲージがほとんどないため、対面で話している実感がやや薄く、物足りなさを感じます。
実は3Dアバターの研究で、フィードバック自体がないと、被験者はアバターの“意図”や“関与”を判断できず、信頼の根拠を失うという説があります(注1)。適度なモーションをいかにつけるのかは、実在感を成立させるための重要なポイントのようです。とはいえ、ニケちゃんさんは、現在、モーションへの対応作業を進められており、今後のアップデートに期待がかかります。

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