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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第117回

“18禁”美少女AI「Ani」は孤独を癒すか、深めるか?

2025年07月28日 07時00分更新

文● 新清士

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AIコンパニオンアプリ「Anichat」の技術使用か

 Aniの3Dモデルには、2024年5月にリリースされたAIコンパニオンアプリ「Anichat」を開発していたAnimation Inc.の技術が使われていると推測されています。

 3Dアバター技術はVR・XRブーム時代に複数登場していますが、AnichatはiOSに最適化して、反応の速いリアルタイムアニメーションを実現していることで、既存の類似アプリに比べても技術的に優位を生み出しており、登場直後から評価されていました。

 2024年11月にサービス終了と発表されたものの、AppleのAppStoreでは執筆時点(7月現在)も配信中です。同社の設立日や資金調達状況などは非開示の上、公式アナウンスがされていないため、そのタイミングでxAIと何らかの技術提携が始まったと考えて良さそうです。 

Anichatの日本アニメ風キャラクターのHanna。英語が基本だが、日本語で話しかければ日本語で返答してくれる。やはり、腕や指の動きが特徴的

ローカルPCでAIコンパニオン扱える「AITuberKit」

 ローカルPCでもAIコンパニオンを扱えるアプリが開発されています。ニケちゃんさんが開発している「AITuberKit」は汎用性が高く最も使いやすいものです。

AITuberKit

 このアプリではVRMフォーマットの3Dアバターモデルを使って、また、ChatGPTなどのAPIや「LMStudio」といったローカルLLMを組み合わせたり、さらに、「VOICEBOX」や「AivisSpeech」といったAIボイスアプリとを組み合わせることで、AIコンパニオンと手軽に音声対話をすることができます。元々は、YouTubeで他のユーザーとのやり取りするAITuberのキットとして開発されていますが、個人向けのAIコンパニオン環境としても十分に使えます。

 AITuberKitの優れた点は、カスタマイズ性が高いところにあります。自分が設計したAIキャラクターのプロンプトも簡単に追加して反映させることができます。ただ、文脈に応じて表情は変えることは可能なのですが、Aniと比較すると、ボディランゲージがほとんどないため、対面で話している実感がやや薄く、物足りなさを感じます。

 実は3Dアバターの研究で、フィードバック自体がないと、被験者はアバターの“意図”や“関与”を判断できず、信頼の根拠を失うという説があります(注1)。適度なモーションをいかにつけるのかは、実在感を成立させるための重要なポイントのようです。とはいえ、ニケちゃんさんは、現在、モーションへの対応作業を進められており、今後のアップデートに期待がかかります。

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