光源でOn/Offをするのではなくモジュラーで制御する仕組み
ここからは個々のコンポーネントの特徴が順に紹介された。まず光信号の受信に使われるPhoto Diodeは、120Gbps NRZ/200Gbps PAM-4のどちらにも耐えるとしており、一方送信の方は、MRM(Micro-Ring Modulator)を利用することで200Gbps/λ(1波長あたり200Gbps)の変調が可能だという。
Photo Diodeは、120Gbps NRZ/200Gbps PAM-4のどちらにも耐える。信号の速度は120GHz/100GHzであるが、PAM-4は1回の転送で4値を転送できるので200Gbpsになる。もっともその分EYEはかなり小さくなっているが。ただ補正するTIA(Trans-Impedance Amp)を使わずにEYEが分離できているので、これは対策は容易だろう
MRMは200Gbps/λ(1波長あたり200Gbps)の変調が可能。右のグラフはER(Extinction Ratio)/IL(Insertion Loss)/rOMA(relative Optical Modulation Amplitude)をまとめたもので、いずれもモジュラーの特性を議論するうえで欠かせない指標。それぞれの意味はさすがに細かいので割愛するが、基本的に特性がかなり良好であるとされる
送信の側は、いきなり光源(レーザーLEDなど)でOn/Offをするのではなく、光源は連続的に光を創出し、その先にこのモジュラーを入れてOn/Offを制御する形である。下の画像は導波経路の構築に関する話である。
当初の90WG(昔は9WGと言われていたが、90nm SOIウェハーを利用したもの)に普通に露光→エッチングしただけでは導波経路のロスが4dB/cmとけっこう大きかったのが、細かな改良やプロセスの微細化(90WG→45CLO)、さらにデザインの改善などを積み重ねることで3.65dB/cmほど削減しているとする。
またFiber Attach(OCIと光ファイバーを接続する部分)も、SiからSiNにすることで、かなり損失を減らせ、これは光出力をあげやすいことにもつながるとしている。

この連載の記事
-
第852回
PC
Google最新TPU「Ironwood」は前世代比4.7倍の性能向上かつ160Wの低消費電力で圧倒的省エネを実現 -
第851回
PC
Instinct MI400/MI500登場でAI/HPC向けGPUはどう変わる? CoWoS-L採用の詳細も判明 AMD GPUロードマップ -
第850回
デジタル
Zen 6+Zen 6c、そしてZen 7へ! EPYCは256コアへ向かう AMD CPUロードマップ -
第849回
PC
d-MatrixのAIプロセッサーCorsairはNVIDIA GB200に匹敵する性能を600Wの消費電力で実現 -
第848回
PC
消えたTofinoの残響 Intel IPU E2200がつなぐイーサネットの未来 -
第847回
PC
国産プロセッサーのPEZY-SC4sが消費電力わずか212Wで高効率99.2%を記録! 次世代省電力チップの決定版に王手 -
第846回
PC
Eコア288基の次世代Xeon「Clearwater Forest」に見る効率設計の極意 インテル CPUロードマップ -
第845回
PC
最大256MB共有キャッシュ対応で大規模処理も快適! Cuzcoが実現する高性能・拡張自在なRISC-Vプロセッサーの秘密 -
第844回
PC
耐量子暗号対応でセキュリティ強化! IBMのPower11が叶えた高信頼性と高速AI推論 -
第843回
PC
NVIDIAとインテルの協業発表によりGB10のCPUをx86に置き換えた新世代AIチップが登場する? -
第842回
PC
双方向8Tbps伝送の次世代光インターコネクト! AyarLabsのTeraPHYがもたらす革新的光通信の詳細 - この連載の一覧へ













