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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第116回

AIが書いた怪談小説が面白い 2分に1本のペースで出力されるのは驚異的

2025年07月21日 07時00分更新

文● 新清士

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 最新のAIで書いた短編小説の出来が良いと話題になっています。SNS(X)でバズっていたのが、花笠さんの「AI怪談」です。7月7日にnoteにアップロードした「3週間で100話の良質なAI怪談を生み出した手法とプロンプトについて」という作成テクニックを解説した記事が人気を集めました。グーグルの「Gemini 2.5 Pro」を使って作成されたショートショートはどれも完成度が高く、普通に読めてしまいます。AIによる小説執筆がどこまで進んだかを紹介します。

怪談の短編小説、3週間で100本

 花笠さんは、6月から約3週間で100本ものAI生成したAI怪談をnoteに投稿しています。それぞれは約2000字の短編で、内容もバラエティに富んでいます。例えば、「黒い夢」は2~3メートル先しか見えない暗闇を進み続ける夢の先に待ち受けている老人との意外な出会い、「心霊写真」では生成AIを使って亡くなった息子の心霊写真を作り続けた夫婦の悲劇、「AI面接─ラストバトル」ではAIデバイスを使って企業面接を受けると相手の面接官もAIデバイスを用意し、その性能バトルに発展する様子がユーモラスに描かれています。

 品質も高く、オチもちゃんとあるため、引き込まれてしまいます。AIが作成したとの情報がなければ、人間が作成したかどうかはすでに区別がつかないレベルです。

花笠さんのAI怪談「心霊写真」より

 花笠さんは、ホラー系の画像を定期的にXに投稿しているホラー好き。その延長線上で、ホラーの短編小説を作るプロンプトを作っていったそうで、その生成された結果に“唖然”としたそうです。「あまりに好み。あまりに面白い。短い文章の中に伏線を張り、にやりと、ほろりと、ゾクッとする感情を、見事に描き出すのです」(花笠さん)。そのために生成するのをやめられなくなり、100話のAI怪談を投稿するまでに至ったとか。また、「本業で何冊もエンタメ書籍をプロデュース」する経験を持つことから、「私が読んでも、ちゃんと、面白い」と紹介されています。

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