このゲーム、知らなかったらわからないことばかりじゃないか?

霜降り明星・せいやの「世界一下手くそなマイクラ配信」で気付いた マイクラってめちゃくちゃむずかしいゲームなのかも

文●モーダル小嶋  編集●ASCII

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ついに鉄インゴットを精製したせいやさん(YouTubeのライブ配信より

“ラグビーみたいな”プレイスタイル

 お笑い芸人の霜降り明星・せいやさんは、自身のYouTubeチャンネル「霜降り明星せいやのイニミニチャンネル」にて、ゲーム「Minecraft」(以下、マイクラ)の実況配信を不定期に実施しています。

 映画「マインクラフト/ザ・ムービー」を見てマイクラを始めたせいやさんの配信ですが、まったく知識を入れずに始めたため、「クラフトの基本となる『作業台』を作ったのが配信開始から90分後」「友好的な村人を敵か味方かわからないのでボコボコにする」と前途多難な内容でした。

 その悪戦苦闘ぶりは、視聴者からは「ちょっと進んだら止まり、またそこからちょっと進んで止まる」ということを揶揄して“ラグビー(みたいなプレイ)”と評されてしまうほど。そのためか、せいやさん自身も配信のサムネに「世界一下手くそなマイクラ配信 爆誕」と自虐的な文言を入れています。

 そんなせいやさんですが、7月1日、第5回目となる「できればダイヤ最低でも鉄マイクラ配信」を配信。

 この回でも、「外に段差があるのでゾンビなどが入ってこれる家を作ってしまう」「アイテムをしまう『チェスト』を作らないのですぐに持ち物がいっぱいになってしまう」など、マイクラ特有の仕様にとまどうせいやさんは、視聴者から総ツッコミを受けます。

 アイテムの使い方や拠点の作り方など、知識を持っていないとマイクラはこんなにもむずかしいのか……と思わされる配信内容になっていました。

視聴者の助けもあって製鉄を完了

 とはいえ、鉄を入手するために地面を掘りながら「この掘り作業めっちゃ楽しい、めっちゃ気持ちいい」と喜んだり、「(地面の)下とかいったら温泉とか湧きでえへんのかな」と未知の世界を想像したりと、徐々にマイクラの世界に慣れてきたせいやさん。

 また、夜になるとゾンビやスケルトンなどの敵が現れることに気付き「こまめにベッドで寝よう」と心がける、いろいろなクラフトのために木材を入手する必要に駆られ木の伐採を決意するなど、マイクラのノウハウを独自に学んでいきます。この光景に、「本人が楽しんでいてなによりだと思います」というコメントも。

 そして配信を開始して40分頃、ようやく鉄鉱石を掘り当てたせいやさん。見慣れないブロックのためかすぐには気付けなかったのですが、チャット欄で「鉄あるよ!」「鉄! 鉄!」と指摘され、鉄の原石を入手します。ついに念願が叶い、「こんなうれしいんか、鉄ゲットするだけで」と感動していました。そして、配信開始から1時間後にはかまどを使った製鉄まで完了。

鉄鉱石を掘り当てたよろこびから、鉄の原石を持ったまま採掘しようとするせいやさん。気持ちはわかる(YouTubeのライブ配信より

 拠点の中から採掘を始めて家の中を穴だらけにしたり(視聴者からは「脱獄」と言われてしまう)、エンダーマンを倒せないためにベッドで眠れなかったりという苦戦も配信中にはありましたが、鉄製の装備を作れたのは大きな進歩でしょう。これはバカにしているわけではなく、何も知らずにマイクラを始めたと考えると、相当にすごいことだと思うのです。

「知らなかったらわからないこと」が多すぎる

 筆者もそうなのですが、マイクラ経験者からすると、せいやさんの配信を見ていると「なんでこれをしないんだ!」と言いたくなる瞬間があります。でも、本当に何も知らずにマイクラを始めたら、誰しもがこうなるんじゃないかとも感じる。

 たとえば、せいやさんのプレイでいえば、生の豚肉を焼かずに食べようとしたり、モンスターが湧く(スポーン)ことを防ぐための松明を至近距離で配置しまくったりします。これらは経験者からすればお笑い草かもしれませんが、肉を焼くことで違うアイテムになる、モンスターが湧く明るさは決まっている(松明同士の間隔はある程度なら空けてもいい)といったことは、知識がなければ気付きにくいはず。

 ベッドを移動するたびに壊す行為も視聴者からつっこまれていたものの、これも「プレイヤーが死亡したときは最後に寝たベッドから復活(リスポーン)するため、置きっぱなしにしておいたほうが効率がよい」ということを察しているかどうかだと思うのです。

ベッドを移動するたびに持ち歩くのは、「どこでも寝るため」と考えればむしろ自然な発想ではないか(YouTubeのライブ配信より

 そう考えると、マイクラって、めちゃくちゃむずかしいゲームなのかもしれません。アイテムを何に使うか、どうすれば敵が出てこないか、どこに何があるのか……。マイクラがリリースされて14年近く経ち、さまざまな要素が追加され続けています。しかし、それら一つ一つにチュートリアルがあるわけではない。

 せいやさんは自身の配信を「世界一下手くそなマイクラ配信」と銘打っていますが、下手というよりも、知らないことがたくさんあるのでしょう。そして、知らなかったらわからないことが、マイクラには多すぎる。

せいやさんがすごいのか、マイクラがすごいのか

第5回の配信のラスト、悲しすぎる(YouTubeのライブ配信より

 わからないことばかりの中、トライ・アンド・エラーを繰り返して鉄製の装備を作るところまで進む。自分が同じシチュエーションで遊んでいたら、そこまでたどり着けないかもしれないと思うんですよね、わりと本気で。それだけマイクラを楽しめる(自力でおもしろいことを見つけられる)のは、せいやさんならでは。

 最終的に、配信中に「マイクラやりたすぎて、実生活でも(ツルハシを持って、物を)壊したくなる」とまで語ったせいやさん。知識ゼロで始めてもその世界にどっぷりハマってしまうという点で、やっぱりマイクラって、すごいゲームなのかも……。

 なお配信の最後では、「次こそダイヤを目指そう……」とせいやさんが意気込んだ瞬間に近寄ってきたクリーパーが爆発して、ゲームオーバーになるというオチがつきました。さらにベッドも吹き飛んだので、リスポーン位置が変わってしまうというおまけ付き。……こんな悲しい終わり方ってあるかしら。せいやさんの健闘を、心よりお祈り申し上げます。