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GeForce RTX 50シリーズまとめ 第32回

最高画質と中程度の画質で歴代xx60番台GeForceと性能比較

GeForce RTX 5060をゲーム11本でベンチマーク、「これでいい」と「VRAM 8GBはつらい」のせめぎ合い

2025年05月24日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトライッペイ/ASCII

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まとめ:「これでもいいかな?」がRTX 5060の本質

 以上でRTX 5060の検証は終わりだ。RTX 5060 Ti 8GBの時と同様、画質や解像度を絞ればIndiana Jonesのような重量級ゲームでも十分動く。Apex Legendsのように、VRAMリソースをあまり消費しないゲームならばまったく問題はない。幸いにして、RTX 4060からRTX 5060で増えたSM数はRTX 50シリーズ中、2番目に大きい(1位はRTX 5090)。

 RTX 4060 TiからRTX 5060 Tiの進化に比べると、性能のベースラインがしっかり上昇していると評価できる。今は割高というイメージにとらわれている人も少なくないと思うが、1〜2年後にはコストパフォーマンスの良いGPUという評価に変わっているだろう。

 筆者はRTX 5060 Ti 8GBレビューの最後において、「RTX 5060 Ti 8GBの価格設定が不自然に高いのはRTX 5060の値頃感を演出したいからでは」という推測をした。実際検証をしてみると、RTX 5060 Ti 8GBとRTX 5060の間にはやや開きがあるものの、RTX 4060などの旧世代に対しても差別化ができていた。

 フルHDであれば、DLSS MFGで旧世代を圧倒できる点は大きな魅力だ。最高の性能は不要だが、旧世代GPUにはない最新GeForceのエッセンスを味わいたい人にとっては、「これでもいいかな」と思わせてしまうものがある。RTX 50シリーズで最も安価な選択肢であることは間違いないのだから。

 ただし、筆者の見解としては、VRAM 8GBでは今時のAAAタイトルを攻めるには力不足と言える。DOOM: The Dark Agesの「解像度を上げるとDLSS FGキャンセル仕様」といい、VRAM 8GB仕様のビデオカードは譲歩を迫られるケースが増えて生いる。それは今後も増加するだろう。

 そんな世情を考慮すれば、せめてVRAM 12GBにすべきであった。もし筆者のように最新ゲームを片端から遊ぶようなゲーマーや、ゲームの画質設定は極力高くしておきたいというゲーマーであれば、もっと予算を追加してRTX 5060 Ti 16GBより上のGPUを買うほうが絶対に幸せになれるだろう。

 これでNVIDIAの新GPUラッシュはひとまず“ターンエンド”になる。だが、ここでライバルAMDが新GPU「Radeon RX 9060 XT」を正式発表した。あちらもVRAM 16GBと8GBのハイ&ローミックスで“ユーザーに選ばせる”戦略を採用しており、RTX 5060やRTX 5060 Ti 8GBとの価格差が非常に気になるところだ。

ゲームタイトル フルHD WQHD 4K
Apex Legends 5.2GB 6.5GB 6.2GB
Overwatch 2 5GB 5.5GB 6GB
Call of Duty (Black Ops 6)【画質:バランス重視】 7.2GB 7.6GB 8.4GB
Call of Duty (Black Ops 6)【画質:極限】 12.1GB 12.2GB 12.4GB
Grand Theft Auto Enhanced 5.8GB 6.2GB 7.4GB
Clair Obscur: Expedition 33 6.3GB 6.8GB 7.5GB
Marvel Rivals 6.6GB 7GB 8.3GB
Monster Hunter: Wildsベンチマーク【画質:中】 7.5GB 7.7GB 8.3GB
Monster Hunter: Wildsベンチマーク【画質:ウルトラ】 13.1GB 13.1GB 13.2GB
The Last of Us Part II Remastered【画質:中】 7.8GB 8.5GB 9.5GB
The Last of Us Part II Remastered【画質:非常に高い】 9.6GB 10GB 11.2GB
The Elder Scroll IV: Oblivion Remastered【画質:中】 6.9GB 7.8GB 9.2GB
The Elder Scroll IV: Oblivion Remastered【画質:最高】 8.5GB 8.8GB 9.5GB
Indiana Jones and the Great Circle【画質:中】 7.8GB 8.5GB 10.3GB
Indiana Jones and the Great Circle【画質:高、PT:高】 11.9GB 12.8GB 14.7GB
DOOM: The Dark Ages 6GB 7.7GB 9.2GB

 ちなみに、上記は今回試したゲームと設定、解像度の各組み合わせにおけるVRAM平均使用量だ。数値はすべてRTX 5060 Ti 16GB環境で実施した場合の値で、CapFrameXを利用して取得している。ご参考までに。

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