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楽しく暮らして脱炭素できたら最高じゃん。「TOKYO GX ACTION CHANGING 〜未来を変える脱炭素アクション〜」レポート 第22回

TOKYO GX ACTION CHANGING 〜未来を変える脱炭素アクション〜レポート

環境に優しい社会は「環境のことを全然考えなくていい」社会かも

2025年05月29日 11時00分更新

文● 貝塚/ASCII

提供: TOKYO GX ACTION2025実行委員会

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「TOKYO GX ACTION CHANGING 〜未来を変える脱炭素アクション〜」点灯式の模様

確実に身近なテーマになった「脱炭素」

 世界的に大きな課題となっている脱炭素。いまや、再生可能エネルギーへの転換、電動モビリティの普及、資源の循環利用など、生活のあらゆる場面に関係するテーマとなりました。

 そんな“GX(グリーントランスフォーメーション)”を、身近な体験を通じて理解し、楽しめるイベント「TOKYO GX ACTION CHANGING 〜未来を変える脱炭素アクション〜」が、先日、東京ビッグサイトで開催されました。

 編集部による取材記事とともに、イベントの内容を振り返ってみましょう。

会場の東京ビッグサイト

食べ物を通じて考える、脱炭素

もうやんカレーの「ラタトゥイユカレー」は、辛かったらしいです

 まずは身近な話題から。食べ物のお話です。

 イベントでは、「ミライカレー2025」と銘打ち、カレーの有名店がさまざまな「脱炭素カレー」作りに挑戦するブースが展開されました。

 ここでの脱炭素カレーとは、「脱炭素に関する取り組みを、カレー作りの過程のどこかに盛り込んだカレー」という意味合いです。

 どういうことかというと、従来であれば、ゴミとして処分されてしまっていたかもしれない廃棄野菜を食材として活用したり、地物の材料を使うことで輸送コストを削減していたりといった工夫が、仕入れから販売までの、どこかに入っているということですね。

 編集部の菊池が食べた「もうやんカレー」では、2種類のカレーを販売。「カレーの水分を抜き、容量を圧縮することでの流通コスト・保管コストを大幅削減」している=省エネルギーでの多店舗展開を実現できている点で、“ミライ”のカレーです。

 食べ物は人間が生きるための基本ですから、毎日、世界中、至るところで大量に作られていますよね。

 一つひとつのアクションによる環境負荷の低減は、もしかすると、ごく局所的で、小さな効果しか生まないかもしれません。でも、世界的な「心がけの変化」が起こると、それは大きなインパクトになり得る。そう感じました。

 「もしも、日本人全員が、1人1円ずつ私にくれたら、1億3000万円になるんだなあ」っていうことと似ているかも(?)。

活用シーンが広がるEV

お祭りの“山車”をEV化した「ツナグルマ」

 一人ひとりの小さなアクションが積み重なって大きな効果を生むという点は、自動車による温室効果ガスの削減も同じでしょう。会場には、国内、海外の主要メーカーのEVが一斉に展示されました。

 主要メーカーの新型EVや、人気車種のEVはもちろん、お祭りの“山車”をEV化した「ツナグルマ」や、モリタグループによるEV消防車のコンセプトモデルなど、ふだんは見かけることのない、ひときわ目を引く展示もありました。

モリタグループによるEV消防車

 ところで、「EV×環境負荷」というテーマになると、必ずといっていいほど「製造時のCO2排出量が、内燃機関を持つ車と比較して高いのではないか(=環境負荷の低減効果には疑問)」という話も上がります。

 でも、現時点でEVを普及させる動きの真ん中にあるのは、「クルマは、走行時にCO2を排出しないのが当然である」という状態をまず作ることなのではないかなー、とも思うのですね。

 つまり、ただちにCO2の排出量を減らすというよりも、「クルマからCO2の排出がない世界」を目指す上での大きな流れの第一歩目、いや、第二歩目くらいが、現在の状況なのではないですかね。

 我々はガソリンを大量に消費する生活スタイルを長い間続けてきましたから、粘り強く、ある程度長い目線での積み重ねが必要なのだと思います。

マツダの3列シートSUV「CX-80(PHEV)」

 そういう意味でいうと、最近、主要なメーカーのEVやハイブリッド車は、世代を重ねて、洗練された乗り心地を持つモデルが本当に増えたと思います。「次はEV」と考えている方も増えているのではないでしょうか。

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