X3Dシリーズに最適化されたASRock「B650M Pro X3D WiFi」が良い!コストを重視したRyzen自作の筆頭候補

文●藤田 忠 編集●北村/ASCII

提供: ASRock

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X3Dのパフォーマンスを最大限引き出せる!

 魅力いっぱいの「B650M Pro X3D WiFi」だが、はじめて、または久しぶりに自作するひとが、どうしても不安に感じる点がある。それが前世代チップセットでRyzen X3Dの性能を引き出せるの?という点だろう。

 最新チップセットのAMD 800シリーズは、AMD 600シリーズのマイナーバージョンアップに留まっている。そのため不安要素は少ないのだが、実際気になるところではある。

 そこで、X3Dへの最適化を謳う「B650M Pro X3D WiFi」の実力をRyzen 9000X3Dシリーズ3製品で確かめてみた。

 なお、 ASRockは信頼性向上に向けた継続的な取り組みの一環として、システム全体の安定性向上のためAGESA 1.2.0.3dに加え、Precision Boost Overdrive(PBO)設定のさらなる最適化が行なわれたBIOSバージョン3.25がAMD AM5マザーボード向けに公開されている。使用前に最新のBIOSにアップデートすることをおすすめしたい。

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 9 9950X3D」(16コア/32スレッド、最大5.70GHz)
AMD「Ryzen 9 9900X3D」(12コア/24スレッド、最大5.50GHz)
AMD「Ryzen 7 9800X3D」(8コア/16スレッド、最大5.20GHz)
CPUクーラー CORSAIR「NAUTILUS 360 RS ARGB White」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASRock「X870 Steel Legend WiFi」(AMD X870、ATX)
ASRock「B650M PRO X3D WiFi」(AMD B650、Micro ATX)
メモリー Crucial「Crucial Pro OC DDR5-6000 32GB CP2K16G60C36U5W」(16GB×2、DDR5-6000)
ビデオカード ASRock「Radeon RX 9070 XT Steel Legend 16GB」(Radeon RX 9070 XT、16GB GDDR6)
ストレージ Samsung「9100 PRO 2TB」(2TB M.2 SSD、PCIe5.0×4)
電源ユニット ASRock「Steel Legend SL-1000G」(1000W、80PLUS GOLD)
OS Microsoft「Windows 11 Home」(24H2)

クリエイティブにも強い16コア/32スレッドのRyzen 9 9950X3D。ガッツリゲームを配信する人やクリエイターに最適

12コア/24スレッド動作のRyzen 9 9900X3Dは、ゲーミングに、軽めの編集作業を、そこそこ行ないたい人におすすめだ

X3Dシリーズダントツ人気の8コア/16スレッドCPUのRyzen 7 9800X3D

テストは「B650M Pro X3D WiFi」と、AMD X870チップセットを搭載したASRock「X870 Steel Legend WiFi」で実施した

メモリーはDDR5-6000駆動の32GB(16GB×2)を装着

ビデオカードとSSDは、PCIe5.0×16ならびにPCIe5.0×4でしっかりと認識、動作している

 まず、PCIe5.0×4 SSDのパフォーマンスを「CrystalDiskMark 8.0.4」で確認しておこう。最速クラスとなるSamsung「9100 PRO 2TB」をシステムドライブとして使用し、アプリケーションなどで23%程度(430GB)書き込まれた状態でテストした。

CrystalDiskMark 8.0.4 1GiBで実行したときのシーケンシャルリード/ライト

 結果は一目瞭然で、「X870 Steel Legend WiFi」(X870)、「B650M Pro X3D WiFi」(B650)ともに、読み出し14000MB/秒台、書き込み130000MB/秒台を発揮している。

 先に確認した読み書き時の温度も含め、「B650M Pro X3D WiFi」は一切の不安なく、PCIe5.0対応SSDを組み合わせられると言える。

「B650M Pro X3D WiFi」のスコアは勝ることが多々ある

 まずはゲーム以外のベンチマークで、チップセット違いでの性能差を確認しよう。最初に試したのは3Dレンダリング系ベンチマークの「CINEBENCH 2024」と「Blender Benchmark」だ。

 「CINEBENCH 2024」は、当然ながらマザーボードに関係なく、各CPUの性能を最大限に引き出したスコアを記録している。肝心の「X870 Steel Legend WiFi」(X870)と「B650M Pro X3D WiFi」(B650)で比べると、おもしろいことにマルチスレッド性能はB650のほうが伸びる傾向にあった。

 「Blender Benchmark」をCPUとGPUでレンダリングした時のスコアをまとめた。Blenderのバージョンは4.4.0を使用した。

 「CINEBENCH 2024」と同じく、3つのテストは文句なしのスコアとなっている。ここでも、わずかだがB650のスコアが伸びている。PCIe5.0×16で動作するRadeon RX 9070 XT搭載ビデオカードへの影響を確認するために、GPUを使用したレンダリング時もテストしたが、結果はほぼ横並びのスコアとなっている。ゲーミングでのテストが気になるところだ。

 続けて定番写真編集、管理ソフトウェアのAdobe「Photoshop(v26.6.1)」と「Lightroom Classic(v14.3.1)」を実際に動かし、処理に要した時間から両ソフトの処理能力をスコアで算出する「UL Procyon」の「Photo Editing Benchmark」で確認していこう。

 総合スコアは、マザーボードに関係なく優秀な9000超えのスコアとなっている。ここでもB650がスコアを伸ばし、Ryzen 7 9800X3DはX870 Ryzen 9 9950Xのスコアも上回った。

 テストごとのスコアを確認すると、マルチスレッド処理の頻度があまり高くない「Photoshop」で処理される「Image Retouching」では、Ryzen 7 9800X3Dがより多くのコアを載せているRyzen 9をわずかだが上回っている。この点は、過去のテスト結果と同じだが、ここでもB650がX870よりもスコアを伸ばす傾向がみられた。

 おもに「Lightroom Classic」で処理され、コア数の多いほうがスコアは伸びる傾向にある「Batch Processing」は、B650、X870環境ともにRyzen 9 9950X3Dがトップのスコアを出している。

 「B650M Pro X3D WiFi」に、Ryzen 9を搭載して、ゲーミングと4K動画の編集といった高負荷なクリエイティブ作業を行なえるPCを組むのもありだろう。

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