最高画質設定だとVRAM 12GBでは足りないゲームが結構ある
GeForce RTX 5060 Ti 16GBをゲーム13本で性能検証、RTX 5070の微妙な立ち位置が浮き彫りに
2025年04月23日 11時30分更新
DLSS FGには太いメモリー帯域が必要
ここから先はアップスケーラーやフレーム生成を使用して検証する。最近のゲームはアップスケーラーとフレーム生成において、DLSSとFSR 3を混在できる実装なっているものもある。しかし、DLSS FGに非対応のRTX 3060 TiやRTX 2060 SUPERでは、フレーム生成にFSR 3 FGを使用している。
「Monster Hunter: Wildsベンチマーク」
Monster Hunter: Wildsは公式のベンチマークツールを利用。画質は「ウルトラ」、レイトレーシングは「高」に設定。RTX 5070〜RTX 4060 Ti 8GBではDLSS「クオリティー」とフレーム生成を、RTX 3060 TiとRTX 2060 SUPERでは、FSR 3「クオリティー」とフレーム生成を使用している。
なお、Monster Hunter: Wildsにおいては、アップスケーラーとフレーム生成におけるDLSSとFSR 3の混在は現状実装されていない。ベンチマークシーン再生時のフレームレートを計測した。
Monster Hunter: Wildsベンチマークは今回の検証で最も頭を抱えたテストだった。RTX 5070とRTX 5060 Ti 16GBの差は順当だが、RTX 4060 Ti 8GBはフルHDで平均30fps程度しか出せていないからだ。これはメモリー帯域の細さとDLSS FGの2つが関係している。
RTX 4060 Ti 8GBの場合、今回の検証条件だとフルHDでDLSS FGをオンにすると、逆にフレームレートが下がる。DLSS FGの処理過程においてより太いメモリー帯域が必要になるとすれば、RTX 5060 TiやRTX 5060のような製品にわざわざ高価で入手性の厳しいGDDR7を採用した理由は、DLSS FG(やMFG)がメモリー帯域不足で回らなくなる可能性をつぶすという合理的な判断なのだろう。
RTX 4060 Ti 8GBでDLSS FGを使用しない場合の解像度別フレームレート。上の結果と対比させると、DLSS FGはメモリー帯域の細いGeForceで動かすには厳しいということがわかるだろう
Monster Hunter: Wildsベンチマーク:ベンチマーク中におけるTotal Board Powerの平均値(左3つ。単位:W)、および10Wあたりのフレームレート(右3つ。単位:fps)
RTX 4060 Ti 8GBのTBPが低いワケは、DLSS FGの処理が滞りすぎて本来の描画処理が遅延していることを示している。RTX 5060 Ti 16GBのTBPは180W枠を使い切ってはいないが、将来のドライバー改善で変化する可能性がある。
「Last of Us Part II Remastered」
4月頭にリリースされたLast of Us Part II Remasteredは、まだDLSS MFGには未対応。画質は「非常に高い」、DLSSは「クオリティー」にしてフレーム生成も有効化した。RTX 3060 TiおよびRTX 2060 SUPERはFSR 3のフレーム生成を選択。冒頭付近、エリーが雪山を馬でパトロールするシーンにおけるフレームレートを計測した。
ここでも再びメモリー帯域が最も細いRTX 4060 Ti 8GBの不遇が目立つ。このゲームは前作「The Last of Us Part I」よりはVRAMなどのリソース要求量が減った印象があるものの、それでもVRAMが8GBと少なくメモリー帯域が細いRTX 4060 Ti 8GBでは最低フレームレートの落ち込みが激しくなるのだ。
Last of Us Part II Remastered:ベンチマーク中におけるTotal Board Powerの平均値(左3つ。単位:W)、および10Wあたりのフレームレート(右3つ。単位:fps)
The Last of Us Part II RemasteredではTBPが全体的に低めに出ている印象がある。

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