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年次イベントでは運用・開発・セキュリティ各領域での機能強化を発表

“因果AI”が強みのDynatrace 成長過程のオブザーバビリティ市場でAIOpsに注力

2025年03月31日 09時30分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 飛びぬけて市場を占有するベンダーが存在せず、未だ成長過程にあるオブザーバビリティ市場。ガートナーによる同市場のマジック・クアドラントにおいてリーダーとして評価される企業のひとつがDynatraceだ。

 Dynatraceは2005年に創業。2016年に現在のプラットフォームの礎を築き、その後、製品ポートフォリオを広げてきた。日本市場においても、2022年から本格的な営業活動を始め、約100社の国内ユーザー企業を抱える。

 同社の執行役員 エバンジェリストである日野義久氏は、「Dynatraceは、『ソフトウェアが完璧に動作する世界の実現』をゴールとしている。システムが自動で継続するための機能拡張に注力しているのが、他のオブザーバビリティベンダーとの違い」と説明する。

Dynatrace 執行役員 エバンジェリスト 日野義久氏

 本記事では、Dynatraceのソリューションの特徴とグローバル年次イベント「Perform」で発表された機能強化について紹介する。

相関分析ではなく因果AIによる「原因分析」が強み

 Dynatraceは、AIOpsを推進する、エンドツーエンドのオブザーバビリティとセキュリティのプラットフォームを提供する。共通基盤の上で、オブザーバビリティ領域として「インフラ」「アプリケーション」「デジタル体験」の監視や「ログ分析」の製品を、セキュリティ領域として「アプリケーションセキュリティ」や「脅威の調査・検知・対応」の製品を提供。ソフトウェア開発を自動化する「ソフトウェアリリース」やビジネスデータに特化した「ビジネス分析」の製品も揃えている。

 オブザーバビリティやセキュリティの仕組みとしては、単一エージェントをインストールするだけで、企業内のシステムやアプリケーションなどのデータが自動収集され続ける。その情報を「Grail」と呼ぶ専用のデータレイクに蓄積してAIが分析、得られた洞察を各製品で活かすことができる。

Dynatraceのプラットフォーム

 Dynatraceの技術的な強みは、独自の「因果AI(Causal AI)」によって問題の根本原因を分析できることだ。エージェントが収集した情報から、システム間の関係やホスト間の通信といった「依存関係」を可視化。障害発生時には、その依存関係に基づき、因果AIが問題の根本原因を特定する。

 同社の執行役員 ソリューション技術本部長である黒岩宣隆氏は、「他のオブザーバビリティベンダーは、学習に基づき『相関分析』を行うAIを展開するが、Dynatraceはトポロジー(依存関係)からどこに原因があるかを分析するAI」と強調する。そして、因果AIが導き出した根本原因に基づく復旧作業や連絡業務などを自動化していく。

 この因果AIに加えて、ホストの使用率を予測したり、アプリケーションの異常を検知したりする「予測AI(Predictive AI)」も搭載。この因果AIや予測AIの出力を活用して、生成AIアシスタントである「Davis CoPilot」が、運用チームからの問い合わせや依頼に応える。この一連のAI機能を「Davis AI」として共通基盤に組み込んでいる。

Davis AI

年次イベントでは運用・開発・セキュリティ各領域での機能強化を発表

 ここからは、2025年2月に開催されたグローバルの年次イベント「Perform」で発表された機能強化を紹介する。

 ひとつ目は、「AIOps機能」の強化だ。従来の因果AIによる原因分析が強化され、AIが問題の要約や具体的な復旧案、過去の問題に基づくベストプラクティスなどを提示する。ログ分析においてもAIによる解説機能が追加される。

問題のサマリと復旧案の提示

 加えて、AIによる予測や原因分析の結果をもとに、ワークフローを利用して自動修復する機能も追加される。さらには、生成AIアプリケーションのパフォーマンスや応答、コスト、セキュリティなどを可視化する「AIオブザーバビリティ」も提供する。

AIオブザーバビリティ

 2つ目は、「開発者向けのオブザーバビリティ」の強化だ。問題の再現や再デプロイを必要とせずに、本番環境のデータを活用しながらデバッグやコード修正ができる「Live Debugger」の機能が追加された。

Live Debugger機能

 最後は、「セキュリティポートフォリオ」の強化だ。クラウド利用のリスクを低減するクラウドセキュリティポスチャ管理(CSPM)機能を追加する。クラウドの設定に起因するリスクの検出から修復までを自動化するほか、PCI DSSやCIS、GDPRなどのコンプライアンスに準拠しているかを継続的に監視・評価する機能だ。

セキュリティポートフォリオの強化

 今回発表された機能は、拡大する製品ポートフォリオの各機能を強化すると共に、強みである因果AIを強化して、更なるIT運用の自動化・効率化を進めるものだ。執行役員 エバンジェリストの日野氏は、「運用の現場は生産性が低く、若い人もやりたがらない。Dynatraceは、こういったIT運用業務のイノベーションを実現する製品」と強調している。

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