
OM-3に「40-150mm F4」の望遠ズームをつけて、神社のキジトラ「きなこ」さん。後ろの草にほんのり日が差しているのがいい感じだったのだ。2025年3月 OMデジタルソリューションズ OM SYSTEM OM-3
前々回だったかな、「3000mmという超望遠で猫を撮ってみたいけど、猫を撮るには超望遠すぎる」って書いた。ニコンの「COOLPIX P1100」で猫を撮る話をしたときだ(「3000mmは望遠過ぎた! 125倍ズームのコンデジ、ニコン「COOLPIX P1100」で猫をドアップで撮影」)。
その後、1回だけ3000mm猫撮影に成功したのだ。たまたま、屋根の上に黒猫がちょこんと座ってたのである。
まずは、135mm相当の普通の望遠で。屋根の上に黒い塊がいるのがわかるかと思う。
これを、ズズズズズーっとズーミングして、3000mmまで上げたのがこれだ。屋根の上の猫の顔アップである。
いやはや、3000mmとは想像以上なのであった。で、ここからが本題。
2025年の春は、久々に各社から新製品が続々登場したので、新製品で猫を撮るシリーズである。「COOLPIX P1100」「Sigma BF」に続く第3弾は、ミラーレスの「OM SYSTEM OM-3」だ。
さっそく、そのOM-3で撮った屋根上の黒猫。このとき望遠ズームレンズをつけてなかったので、ぎりぎりまで近寄ったら見てるのがバレて起き上がられてしまった。まあしょうがない。

OM-3に標準ズームの「12-45mm F4」をつけ、望遠端で撮ったさっきの屋根上猫。近くまで寄って、枝の隙間から顔が見えるアングルを探していたらバレてしまった。2025年3月 OMデジタルソリューションズ OM SYSTEM OM-3
このOM-3、立ち位置的には「OM-1」と「OM-5」の間に位置するカメラで、性能面では上位機のOM-1に迫っているそれなりに高性能機なんだが、デザインがすごくOMなのだ。フィルム時代のOMシリーズを彷彿とさせるようなデザインがミソ。このスタイルを気に入るかどうかが分かれ目って感じだ。
このボディだと、太くて大きな高性能レンズよりも、コンパクトなレンズが似合う。
この組み合わせで、いつもの「保護猫シェルター QUEUE」で1枚。真っ赤なキューブの中に入っていたので、赤い布越しの光や赤い布の反射で全体に真っ赤になっちゃってて、それはちょっと色がかぶりすぎだなと思い、モノクロにしてみた。
ダイヤルを回してモノクロモードにして、好みのモノクロ設定を作れるので凝った撮影をしたい人にはうれしい。赤いキューブに書かれた猫の絵が一緒に入るように狙ってみた。
でも、OMシリーズというとフィールドで使うイメージだよね。ってことで屋外へ行くことに。
冒頭写真は、「40-150mm F4」のコンパクトな望遠レンズをつけて撮った神社猫のきなこさん。この日はなかなか近くに来てくれなかったので、ローアングルで狙ってたら大あくびをしてくれたのですかさず。
OM-3はクラシカルなスタイルなので、シャッターボタンが真上に付いてる。このスタイルのメリットのひとつは、ローアングルで撮るとき、ぎゅっと握って親指シャッターという技が使いやすい。
カメラを低い位置に持って、親指でシャッターを押すのである。こうやって握りやすいカメラは猫撮りにいい。Sigma BFもそうだったけど、こんなふうに持つのだ。
で、この大あくび写真、よく見ると後ろにもう1匹いる。長毛のタビさんである。親指シャッターで、地面すれすれから撮ったタビさん。
長毛種は、暖かくなるとここまでふさふさではなくなるので、味わうなら今のうちである。
この「40-150mm F4」の望遠ズームは、写りがいいうえに比較的コンパクトで軽いので、マイクロフォーサーズ機で猫を撮る人におすすめしたい。クラシカルなボディのOM-3と合わせても違和感ないしね。
実用性重視でガチな撮影をするならOM-1、ちょっと軽くて首から提げて歩きながら猫との出会いを楽しむならOM-3って感じだ。
■Amazon.co.jpで購入
-
古地図と地形図で発見!鎌倉街道伝承を歩く荻窪 圭山川出版社
-
東京「多叉路」散歩 交差点に古道の名残をさぐる圭, 荻窪淡交社
-
古地図と地形図で楽しむ 東京の神社 (知恵の森文庫)荻窪 圭光文社
筆者紹介─荻窪 圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

この連載の記事
-
第916回
デジカメ
小型コンデジ「Powershot V1」で超広角猫撮影を楽しむ -
第915回
デジカメ
「Xiaomi 15 Ultra」は猫撮影でも最強スマホカメラかもしれない -
第914回
デジカメ
猫瞳AFとチルト+バリアングル式モニタがうれしい! パナソニック「LUMIX S1RII」で障害物の隙間から猫撮影 -
第912回
デジカメ
シグマの「BF」はシンプルでカッコいいだけでなく猫撮りにもいいし、心なしか猫の表情もいい -
第911回
デジカメ
3000mmは望遠過ぎた! 125倍ズームのコンデジ、ニコン「COOLPIX P1100」で猫をドアップで撮影 -
第910回
デジカメ
たまに見つけるとうれしい! なかなか出合うことがない屋根の上でくつろぐ猫の写真を集めてみた -
第909回
デジカメ
遠くからでもOK! 警戒心が強い神社猫を撮るのに「Galaxy S25 Ultra」の5倍&10倍ズームが大活躍 -
第908回
デジカメ
最新「Galaxy S25 Ultra」の優秀5倍望遠カメラで、あまり人慣れしてない猫を遠くからそっと撮る -
第907回
デジカメ
保護猫シェルターにいた珍しい純血種ベンガルのお茶目な瞬間を撮ってきた -
第906回
デジカメ
もしやと思ったら……久々に訪れた公園で見つけた猫は10年前と同じ2匹だった - この連載の一覧へ