「他社より本人確認が緩く、契約可能な回線が多かった」
当時、三木谷浩史会長は「僕らは料金プランが最強だと思っているけど、いくつかのハードルがあって『乗り換えにくい』とか『本人確認が面倒』とかの声があった。そこで、そういうところをすべて取っ払っちまえと、まあそういうことです。金融ではマネーロンダリングもあるので、本人確認はかなり厳格だ。むしろドコモショップでやるよりは厳格だと正直、思っている」と、本人確認の精度にかなりの自信を見せていたのだ。
一方で、ソフトバンクの宮川潤一社長は「(本人確認の簡素化は)ちょっと問題があるのではないか。本人確認については犯罪防止の観点から非常に重要だと理解している。データ通信回線だったら、いいだろうというのも違う。アプリでも音声通話が利用できる事を考慮すれば音声回線と同様にデータ通信回線でも本人確認をすべき。これは法律を見直した方がいいと感じており、総務省に働きかけて法整備を進めていきたい」と警鐘を鳴らしていたのだった。
本人確認の甘さに加えて、楽天モバイルが厄介なのが、1ユーザーあたりの契約できる回線数だ。既存3社は1ユーザーあたり5回線までという制限がある。しかし、楽天モバイルの場合、なぜか1ユーザーあたり15回線も契約できてしまう。
一人のユーザーのIDとパスワードがわかってれば、10回線以上、不正に契約できてしまうだけに、犯罪組織のターゲットになってしまうのは無理もない。
報道によれば、逮捕された中高生の一人は「他社よりも本人確認が緩く、契約可能な回線数が多かった」と楽天モバイルをターゲットにした理由を語っているという。

この連載の記事
-
第262回
トピックス
ソフトバンクとKDDIが“空の救助網” 雪山遭難、ドローンで発見 -
第261回
トピックス
スマホ5G“ミリ波”肩透かし 6Gは“センチメートル波”が鍵に -
第260回
トピックス
ドコモ苦戦 携帯3社、“値上げ”で明暗 -
第259回
トピックス
KDDI、通信品質で再び首位に ドコモとソフトバンクが不満「あの評価基準はおかしい」 -
第258回
トピックス
アドビ、AIで若年層開拓 “映える”画像を作りやすく -
第257回
トピックス
ドコモ経由の“NISAデビュー”増える マネックスか、SBIか、悩ましい選択に -
第256回
トピックス
KDDIドローン事業、9年目で軌道に乗る兆し 無人AIポート運用に成功 -
第255回
トピックス
楽天モバイル“値上げしない宣言”に他社が苦言 「自分たちでネットワークを構築しないくせに」 -
第254回
トピックス
クアルコム「Snapdragon」名称迷走 PC市場での認知施策が課題に -
第253回
iPhone
アップル新型「iPhone」全部比べた オススメはこれ -
第252回
トピックス
アップル「iPhone 17」eSIM専用に? 注目集める - この連載の一覧へ











