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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第499回

サムスン「Galaxy Z Fold6」は折りたたみに加えてAIでビジネス機能が大幅強化された

2024年08月28日 12時00分更新

文● 佐野正弘 編集●ASCII

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カメラとゲーミングは安定の高性能

 では性能面はどうか。Galaxy Z Fold6はクアルコムのハイエンド向けチップセットに独自カスタマイズを加えた「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」を搭載しており、メモリーは12GB、ストレージは256GBから1TBまで3種類が用意されている。

 各種ベンチマークで性能を測ってみると、スペック通り非常に高い性能を持つことがわかる。現時点で最高峰の性能を持つことに間違いないだろう。

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「Geekbench 6」のCPUベンチマーク結果

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「3DMark」(Wild Life Extreme)のベンチマーク結果

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「3DMark」(Solar Bay)のベンチマーク結果

 実際にAAAクラスのゲームでグラフィックを最高設定にしてプレイしてみたが、よほど重い処理が走るのでなければおおむね快適にプレイでき、不満を抱くことはなかった。冷却性能も強化されているので熱によるパフォーマンス低下もあまり生じず、ゲーミング用途でも十分満足できる性能を持つといえる。

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「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティが「ウルトラHDR」、フレーム設定が「ウルトラ」と最上位の設定が可能だ

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「原神」のグラフィック設定はデフォルトで「高」。フレームレートなどを最高設定にしても長時間快適なプレイを維持できる性能を持っているようだ

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最近の重量級タイトル「鳴潮」を最高画質でプレイ。敵の多い場所で派手なエフェクトが動くとさすがにフレーム落ちが生じるが、そうでない限りほぼ快適なプレイが可能だった

 続いてカメラに関してだが、背面のメインカメラは約5000万画素/F値1.8の広角カメラと、1200万画素/F値2.2の超広角カメラ、約1000万画素/F値2.4で光学3倍ズーム相当の望遠カメラを搭載。フロントカメラはサブディスプレー側が1000万画素/F値2.2、メインディスプレー側が400万画素/F値1.8でディスプレー下部に設置されている。

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カメラは従来同様広角・超広角・望遠の3眼構成。性能も大きく変わっていない

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メインディスプレー側のフロントカメラはディスプレー下部に設置されている

 それゆえ性能面ではGalaxy Z Fold5と大きく変わらず、幅広いシーンに対応した撮影が可能だ。それに加えて加えてGalaxy AIの活用による編集機能も強化されていることから、撮影後に写真を加工する楽しさも強化されている。

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広角カメラで撮影した写真

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同じ場所から超広角カメラで撮影した写真

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同じ場所から望遠カメラ(3倍)で撮影した写真

 実際に被写体を移動したり、消したりして見ると、その跡を綺麗に埋め合わせてくれることが多いようだ。ただ場所やオブジェクトによっては跡を“消す”のではなく“別のもので埋める”ことが多く、「そうじゃない」と感じてしまうケースが多いのが気になる。

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生成AI技術を活用した編集機能の充実が進んでおり、被写体を選んで移動したり、消したり、回転や拡大縮小したりした跡を埋め合わせてくれる

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実際に移動してみたところ。移動した跡をシンプルに消すのではなく、別の似たものを生成して埋めようとするケースがかなり多いのが気になる

 バッテリー容量もGalaxy Z Fold5と同じ4400mAhだが、それでいて重量が減っているのは大きな進化だ。また、SIMは物理SIM(nanoSIM)とeSIMのデュアルSIM構成で、5Gはドコモの4.5GHz帯(バンドn79)、そしてミリ波の28GHz帯(バンドn257)にも対応するなど、通信面での充実度も非常に高い。

Galaxy

SIMスロットはnanoSIM×1で、eSIMとのデュアルSIM構成となる

SIMスロットはナノSIM×1で、eSIMとのデュアルSIM構成となる

【まとめ】完成度は高いが高過ぎる価格が最大の弱点

 まとめると、Galaxy Z Fold6はハードウェア面での精度を高め、従来の不満要素でもあった折りたたんだ状態での操作性をより向上させながらも、ソフト面ではGalaxy AIの活用によって、ビジネス関連の機能充実が図られたことから、Sペンが利用できることも含めてよりビジネスシーンで活用しやすい端末に進化した。

 一連の改善によって折りたたみデバイスとしての完成度は高まり、スキが少なくなったのはもちろんだが、販売当初からSIMフリーモデルが提供され、ソフトバンクや楽天モバイル、そしてMVNOの利用者も購入しやすくなったのもメリットだ。欲を言えばやはりSペンを本体に内蔵できるようにしてほしいが、薄さに影響してくるだけに難しいのかもしれない。

 一方で、価格高騰がGalaxy Z Fold6の最大の弱点となってしまった感は否めないだろう。SIMフリーモデルでいうと最も安い256GBモデルで24万9800円、最も高い1TBモデルでは30万3800円と、とても一般消費者が気軽に支払える価格ではないのが厳しい。そろそろ性能を引き下げた低価格モデルの投入も検討すべきだろう。

  Galaxy Z Fold6
ディスプレー 7.6型有機EL
(1856×2160、1~120Hz)
サブ:6.3型有機EL
(968×2376)
サイズ 開:約132.6×153.5×5.6mm
閉:約68.1×153.5×12.1mm
重量 約239g
CPU Snapdragon 8 Gen 3
for Galaxy
内蔵メモリー 12GB
内蔵ストレージ 256/512GB/1TB
OS Android 14
カメラ画素数 50メガ+12メガ(超広角)
+10メガ(光学3倍)
イン10メガ+4メガ
バッテリー容量 4400mAh
FeliCa/NFC ○/○
防水・防塵 ○/○(IPX8/IP4X)
生体認証 ○(指紋+顔)
SIM nanoSIM+eSIM
USB端子 Type-C
カラバリ シルバーシャドウ、ネイビー、クラフテッドブラック、ホワイト

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