中国のEVメーカーであるNIOは2024年7月27日にスマートフォン「NIO Phone(N2401)」を発表しました。昨年9月に発表した「NIO Phone(N2301)」の後継機となります。スマートフォンメーカーが自動車を作るのはファーウェイやシャオミの例が知られていますが、その逆はなかなかありません。中国ではスマートフォンメーカーとEVメーカーの垣根がなくなろうとしているようです。
NIO Phoneのモデル名は自動車にならってか、NIO Phoneの名前はそのままに2023年モデルはN2301、今回の新製品は2024年モデルということからかN2401となっています。今後もNIO Phoneという名前は変えずに、そのあとの型番だけを変えた展開をしていくのでしょう。
なお、N2301とN2401はデザインは変わっておらず、本体サイズがわずかに変化。カメラ周りのデザインも若干変えるなどの小さなアップデートとなっています。本体のカラバリは7色、メインカラーはレッドのようです。
2023年モデルは今年6月のMWC上海2024に出展、こちらの記事で写真を紹介しています(自動車メーカーのスマホから、衛星タブも! MWC上海2024の珍しいスマホたち)。
NIO Phone N2401の主なスペックはチップセットがSnapdragon 8 Gen 3、ディスプレーは6.82型(3168×1440ドット)、120Hz駆動で輝度は2600nit。バッテリーは5020mAhで80Wの有線と50Wの無線充電に対応します。防水防塵はIP68。また5Gの対応バンドはn1/n3/n5/n7/n8/n20/n28/n38/n40/n41/n77/n78/n79です。スペックを見るとかなりハイエンドなモデルであることがわかります。
セラミックボディーの「EPedition」はスポーツカーをイメージさせるモデルで、シックな仕上げに赤のラインが際立ちます。このEPeditonはシリーズ最上位モデルでメモリー構成は16GB+1TB、価格は7499元(約15万3000円)。ほかのモデルは12GB+512GBが6499元(約13万2000円)、12GB+1TBが6899元(約14万1000円)です。
カメラはすべてソニー製センサーで広角が4800万画素(LYT-T808)、超広角が4800万画素(LYT-600)、2.6倍望遠が5000万画素(IMX890)。カメラも高性能です。
さて、NIO PhoneはEVメーカーのスマートフォンですから、NIOのEVとの連携もスムーズです。OSはNIO EVが採用する「Sky OS」をスマートフォン向けとした「Sky UI」を搭載。NIO LinkアプリでEVとスマートフォンを有機的に接続可能で、ダッシュボードにあるAMOLED12.8型(1728×1888)ドットのセンターコンソールディスプレーでEV内の操作も可能です。
NIOのEVに搭載されるAIアシスタント「NOMI」をNIO Phoneからも利用できます。NOMIはNIOが自社開発したAIシステムであり、2024年にはGPT機能を持つ「NOMI GPT」も発表されました。
このようにNIO Phoneは、EVと日々の生活をつなぐ橋渡し的な役割を持つ製品なのです。NIOのEVユーザーなら自宅内から外に出てEVを運転中、そして目的地に到着後のアクティビティーを含め、NIO Phoneを中心にシームレスな体験が得られます。
EVとスマートフォンのOSを統合していることからアップルのCarplayやグーグルのAndroid for Carsよりも深い連携ができるわけです。自社の強固なエコシステムを構築できることから、中国の他の自動車メーカーにも「自社スマホ開発」の動きが広がるかもしれません。
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