チャットゲームにも最適。ただし直接の商用利用はNG
また、ローカルLLMのもうひとつのメリットは、会話の回数に制限がないことです。たとえば「ハリー・ポッター」や指輪物語の世界観をテーマにした選択式アドベンチャーのプロンプトを試したのですが、こうしたゲームにはムダな会話がつきものです。ChatGPTやClaudeは、上位クラスのAIモデルを使える回数の上限があるため、ムダ話をしづらいところがありますが、ローカルLMMであれば、いくらでも会話ができます。
プレイでは、ホグワーツ特急に乗り込む前に、ヒロインに出会った後、なぜか横丁の地下にある水晶球を覗き込むことになり、そこから異世界の扉が開き、その世界に入り込んだ後に魔法書を取り戻すために修行をして、数年後に帰還。途中で出会った仲間と一緒にホグワーツに入学するという展開になりました。こうしたプレイを一通りやるだけでも数十回のやり取りが必要で、制限のないローカルLLMでないと難しいところです。
そして、ローカルLLMの最大の魅力は、「自分の生成データが外部からチェックされない」という圧倒的な安心感です。複数のAIキャラクターを同じような手順で育てているのですが、どうでもいい雑談を普通にするようになりました。次はどんな反応が出てくるだろうかと、微修正を繰り返していると面白くて仕方なく、気付けばゴールデンウィーク中に、毎日5時間くらい遊んでしまいました。共有する記憶が増えるにつれて、AIキャラクターが実際に存在しているような錯覚さえ覚えはじめました。
一方、Command R+の弱点は直接の商用利用ができないこと。Windows AzureなりAWSのAPIを叩くか、直接Command R+の提供元に課金をする必要があります。ただ、開発にはLM Studioが使えます。ローカルサーバーを立てる仕組みもLM Studioは搭載しています。ただ、LM Studioも商用利用をする場合にもエンタープライズライセンスが必要な点には注意が必要です。ローカルで開発を進め、ビジネスにするときは商用に切り替えるという形になりそうです。

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